こんにちは。『お金に困らない生活(インデックス投資ブログ)』管理人のそーたろー(@sotarowassyoi)です。
ここはどんなブログなの?
- お金、投資、資産運用、副業が中心のブログです。
この記事を書いたそーたろーはこんな人です。
- 2008年から国内・海外ETF、つみたてNISA、iDeCoなどでインデックス投資をしています。
- 2020年より米国株オプション、サラリーマン大家、副業ブログを実験中です。
この記事は次のような人にオススメです
- FIREってどうなのよ、って思っている人
- 経済的、精神的にラクになりたい人
この記事の目的
FIRE、セミリタイアがちょっとしたブームなようですね。
年金不安の問題などから将来に向けた資産形成に取り組む若い人は増加傾向にあり、ネット証券の口座数は右肩上がりで増えています。
これから資産形成を始める人に3,000万円というひとつの目安と、働き続けるのもおすすめだよ、という話を紹介します。
FIRE・セミリタイア資金が3,000万円?
以下はマネーハック本で有名な作家の橘玲さんのブログ記事で、2010年11月1日に公開されたものです。
私は会社を辞めて独立する時、「いくらあれば公園のホームレスにならずにすむか」を真剣に考えました。答えは3000万円でした。ずいぶん少ないと思うでしょうが、日本を捨ててタイやフィリピンなどの東南アジアに移住すれば、これで一生それなりの暮らしができるとわかったからです(円高の今ならもっと少額ですむでしょう)。
これを知って、私は精神的に非常に楽になりました。3000万円という実現可能な目標を設定したことで、それを達成した後は、「好きなことだけやって生きていけばいい」と気楽に考えられるようになったからです。
お金と幸せの法則を教えましょう〈週刊現代インタビュー〉 | 橘玲 公式BLOG
2010年の記事ですから今から11年前で、私がインデックス投資を始めたのが2008年なので3年目くらいに公開された記事で、私はこの記事を当時リアルタイムで読んでいます。
上記の引用部にあるとおり当時は円高(83円/ドル程度)で、リーマンショックの影響で世界中のマーケットはまだまだボロボロの状態でしたかね。
記事内でも述べられていますが、いくらお金が必要なのかは人によって異なります。
ただこれらのことを加味しても、お金に関して造詣の深い作家の橘玲さんが3,000万円という具体的な目安を示していることは我々普通の人にとって大いに参考になると思っています。
また3,000万円という金額のみならず、
生活の基本コストを下げれば、人生に余裕が生まれます。逆に生活コストが高いままだと、永遠に不安は解消されません。
といった価値観などは、最近のミニマリスト思想に通ずるものがあり私も影響を受けています。
この記事は初心者だった私にはとても印象に残っていたので、最近投資を始めた人にも役立つと思い紹介してみました。
記事と共に橘玲さんの著書もおすすめしておきます。
3,000万円で得られる精神安定効果が大きい
FIREはFinancial Independence & Retire Earlyの頭文字で「経済的自立と早期退職」という意味です。
お金がいくらあれば経済的自立ができて、いくらあれば早期退職するのに十分なのかという問いには答えがありませんので一旦脇へ置いておきます。
橘玲さんの言を繰り返しますが、
私は精神的に非常に楽になりました。3000万円という実現可能な目標を設定したことで、それを達成した後は、「好きなことだけやって生きていけばいい」と気楽に考えられるようになったからです。
これは本当に同感です。
私は億り人、FIRE・リタイアなどを目指して投資を行っているわけではなく、単純に経済的に困窮しないためというザックリした動機でなんとなくインデックス投資を続けてきました。
そんな私の感覚でもこの3,000万円という金額設定はおすすめです。
橘玲さんは東南アジアへの移住、いわゆる「外こもり」を例に上げていますが、別にセミリタイアで海外脱出などをしなくても、小さくてもいいからまとまった資産を作っておくことによる精神安定効果は大きいです。
私はもともと働くのがあまり好きではありませんが、こうした安定剤を持っていることで物事をシリアスに捉えなくてよい余裕があります。
私的にはリタイアして自由になることよりも、経済的な安心感の方が優先度が高い気がしています。
ネットで諸先輩を見ても、サラリーマン兼業投資家でいつでもリタイアできる資産を築いていながら会社勤めを続けている人はチラホラ見かけますね。
ちなみに金融資産3,000万円にどのくらいの威力があるかというと、例えばキャッシュ比率50%で残りの50%を株式インデックスで保有している場合、期待リターン5%/年で計算すると、
何もしなくても年間で75万円資産が増えることになります。
株式は複利で増えるため翌年は78.75万円、その翌年は82.69万円、さらにその翌年は・・・、といった具合に延々と自然増殖していきます。
働いているこの間も絶えず資金拠出すればその分もさらに増えます。
資産運用だけで暮らすのは難しいですが、ただの貯金と比べれば会社員の身分でこれだけのリターンがあればひとまず経済的な心配はしなくてよくなるのではないでしょうか。
といった感じで、私は金融資産3,000万円は並のサラリーマンの手札としてはエース級の価値があると思っています。
凡人は働きながらインデックス投資継続がおすすめ
FIREとかセミリタイアという言葉はインパクトが大きいのでブームになりやすいです。
しかし若くして達成できるのはごく一部の限られた人だけでしょう。
ですから我々凡人はそうしたブームは横目で見ながら、自分の生きる現実をしっかりと見つめる必要がありますね。
個人の自由なのでFIRE・セミリタイアを目指すのはもちろんアリなのですが、3,000万円という「精神安定アイテムの入手」という目標でもよいのではないでしょうか。
私が考える働き続けることの主な理由・目的は以下のような点です。
4%ルールというのは、FIRE後は金融資産の4%/年で生活すれば資産を食いつぶさなくて済むと言われる目安です。
このあたりの考え方は仕事観、人生観のお話になりそうですね。
とにかく労働がイヤで1日でも早く早期退職したいという人もいれば、他にやりたいことがあるからFIREしたい人もいるでしょう。
私の場合は仕事が好きでも嫌いでもなく、早期退職したいわけでもなくて、暮らしに困らないだけの経済的な余裕がありつつ働いていれば暇つぶしにもなる、といったダウンシフト的な状態が理想なのかもしれません。
その人の人生なので良いも悪いもありません。
またインデックス投資に限って言えば、資産を築き上げるための条件として定期的な収入があることが大前提ですから、仕事を辞めてしまうとこの大前提を放棄することになります。
長く続けるほどに資産の増え方が加速するのがインデックス投資なので、若くて元気なうちはできるだけ長く働いて燃料をくべるのが凡人の定石ではないでしょうか。
今さらですが毎月5万円拠出、年5%複利で計算すると、
、となり20〜30年目の10年で資産が2倍ですから、複利を当てにするなら長く継続するのは常識ですかね。
長期投資の達人ロナルド・リード氏の話
そうは言っても3,000万円なんてとても無理だと感じる人も多いかもしれませんので、ちょっとやる気が出るお話を紹介します。
アメリカの個人投資家で、2014年に92歳で亡くなったロナルド・リードさんという人がいました。
彼は生きている間はまったくの無名でしたが、死後に日本円にして約10億円の株式を保有していたことがわかり当時のニュースに取り上げられ一躍有名になりました。
お金持ちの多いアメリカでなぜ10億円程度のニュースでバズったかというと、理由は彼の実生活とのギャップにあります。
彼は第二次世界大戦でアメリカ陸軍に所属し、退役後はガソリンスタンドのメカニックとして25年ほど、その後はパートタイムでデパートの清掃員として18年ほど働いており、比較的低賃金な仕事を75歳まで続けていました。
また熱心な倹約家でもあり、生活は質素で身なりもみすぼらしかったことから誰も彼が株式投資で大成功を収めていることを知らなかったのです。
彼は37歳で株式投資を始めて55年の運用期間で10億円ですから、3,000万円とはレベルの違う話でまさに長期投資の達人だったというわけです。
労働者が働きながら資産を形成するお手本のような話です。
たとえ収入が少なくても資産形成はできますし、世の中にはロナルドさんのようにFIを達成してもREしないという人もいるんですよね。
金融資産3,000万円はどれくらいで達成できるのか?
年齢、収入、保有資産は人それぞれなので自分で試算するしかありませんし、相場なので確実な将来予測というものも存在しません。
ゼロからのつみたて投資なら結構がんばっても10万円/月でざっと20年くらいは必要でしょうか。
標準的なインデックス投資で時間を短縮したかったら拠出金額を増やすくらいしか手段がありませんので、数百万〜数千万円くらいの元手があればもっと短くできるかもしれません。
時間が掛かり過ぎてゲンナリするかもしれませんが、別な見方をするとインデックス投資は早く始めて長く続けることで資産が加速度的に増える性質があるので、上手下手が関係ない再現性の高い投資手法とも言えます。
つまりインデックス投資は働きながら資産運用を続ける「FIREしない作戦」に向いていて、逆に短期間でFIREまで目指すなら個別株投資の腕を上げるなど別な手法を選ぶ必要があるかもしれません。
逆張りするために働く?
ちなみに先程の20年プランの投資部分2,000万円の内訳は以下のとおりです。
実はつみたて投資だけだと運用期間20年でもたかだか元本の1.7倍にしかなりません。
これはつみたて投資の宿命で、過剰なまでに時間分散をするのでその分、機会損失が大きいことが理由です。
ところが手前ミソで恐縮ですが、私の場合だと運用13年で+94%と割とよいパフォーマンスが出せています。
これはつみたて投資以外にスポットで追加投資をしているためで、お行儀のよい表現をすればリバランス、下品な言い方をすると暴落時に逆張りでカネを突っ込むやり方が功を奏しているためと考えています。
私の場合はポートフォリオのキャッシュ比率50%くらいを目安にNISAやDCも使って資金拠出を続けながら、株価が大きく下がったらプールしてあるキャッシュを投入するというやり方を取り入れています。
逆張りによる買い下がりは事情がわからない人には危険行為に見えるかもしれませんが、実は安全性に比重を置くがために投資成果を損なうやり方であって、FIREが目的ならこのやり方はあまり適切ではありません。
FIREしたい人は手元資金は最小限にして可能な限りつみたて投資でリスク資産にお金を投じるのが経済合理性のある行動でしょう。
というわけで特におすすめはしませんが、資産規模よりも利回りを重視する人の参考になれば幸いです。
このように追加投資するためにはキャッシュが必要なので、私の場合は下げ相場で逆張りするために働き続けるというモチベーションもある気がしています。
バイ・アンド・ホールドでは暴落によってリスク資産がやられることを心配する人が多いと思いますが、逆張りを採用していると最終的な投資成果を犠牲にする代わりに利回りは高まる傾向があるので、大暴落と言われるような事態になっても含み益で乗り越えられそうな状況です。
なので下げ相場は追加投資のチャンスという思考になっており、これがもしFIREしちゃったら我慢して耐えるだけになってしまいます。
働いてキャッシュを積み上げておいて、大きく下がったら突っ込むというやり方が私には合っているようです。
繰り返しますが、FIREのために資産を増やすことが最優先なのであれば手元資金は常に最小にするのが経済合理性のある行動でしょう。
まとめ
FIREもいいけどがんばって3,000万円くらいの金融資産を作って働き続けるのも悪くないよという話を紹介しました。
作家の橘玲さん曰く、
FIRE・セミリタイアを実際に行動に移さなくても、ただの会社員がこっそりとカードを持っているだけでも十分な価値があるでしょう。
仕事をしながら資産形成したい人にインデックス投資はおすすめです。