分散投資ポートフォリオの地域バランス自動計算【Googleスプシ】

インデックス投資
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こんにちは。『お金に困らない生活(インデックス投資ブログ)』管理人のそーたろー(@sotarowassyoi)です。

 

  • インデックス投資特有の課題である、つみたてNISAやiDeCoで分散されたポートフォリオのバランス管理について解説します。
  • 保有するファンドの国別/地域別の投資割合をGoogleスプレッドシートで自動計算して把握できるようになります。

 

そーたろー
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ここはどんなブログなの?

  • お金、投資、資産運用、副業が中心のブログです。

 

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この記事を書いたそーたろーはこんな人です。

  • 2008年から国内・海外ETF、つみたてNISA、iDeCoなどでインデックス投資をしています。
  • 2020年より米国株オプション、サラリーマン大家、副業ブログを実験中です。

 

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この記事は次のような人にオススメです

  • 証券口座が複数に分かれたり、保有商品が増えても投資先のバランスを統合管理したい人
  • 国別/地域別に強弱を付けて投資したい人

 

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この記事の目的

インデックス投資では世界中の株式に簡単に分散投資することができます。

インデックス投資による分散投資では、全世界の株式市場の時価総額を基準にして国や地域の配分割合を決めることも多いかと思います。

全世界の株式市場の時価総額の構成割合については以下の方法で調べることができます。

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しかし株式市場の時価総額を調べて合わせるべき目安がわかっても、証券口座が増えたり保有商品が増えて自分のポートフォリオのバランスが把握できなければ合わせることができません。

今回はこうした問題を解決するためにGoogleスプレッドシートを使ってポートフォリオの投資先国/地域を常に最新の状態で自動計算する方法について解説します。

なお今回解説する方法は株式ファンドだけでなく、債券ファンドやREITファンドなどのバランスについても応用することができます。

 

分散投資ポートフォリオの地域バランス問題の例

準備として、まず以下の記事で説明したような保有商品一覧表の作成が必要です。

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保有商品一覧表を元にして株式インデックスのバランスを自動的に割り出す仕組みをGoogleスプレッドシートで作ります。

今回の解説は前回記事と同じサンプルの保有商品一覧表を使って行います。

解決したい課題は以下のとおりです。

「全世界の株式の時価総額の構成割合」と「保有商品一覧表の構成割合」を比較して投資地域のオーバーウェイト、アンダーウェイトを割り出したい。

例えば、2019年時点で全世界の株式の時価総額に占める北米株の割合は約56%ですが、

先程の保有商品一覧表に占める北米株の割合は評価額全体の何%でしょうか?

保有商品一覧表で北米株が含まれるのは以下の商品です。

  • ニッセイ 外国株式インデックスファンド(特定口座)
  • ニッセイ 外国株式インデックスファンド(つみたてNISA)
  • たわらノーロード 先進国株式(iDeCo)
  • (VTI)米国株式
  • (SPY)S&P500

この問題の答えは保有商品一覧表をいくら眺めてもわかりません。

このようにインデックス投資特有の課題として、複数の口座、異なる商品、投資信託とETFといった運用になるとポートフォリオの状態がわからなくなってしまいます。

解決方法について以降で解説します。

 

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解法:各商品のインデックスを参照して割合を調べ集計する

先の問題では複数のインデックス商品を保有しており、なおかつ商品によって北米株を含む割合が違います。

ですので単純に商品の保有量を足しただけではポートフォリオ全体に対する投資先の割合を求めることはできません。

この問題は各商品に含まれる北米株の割合を調べて評価額に応じて按分(あんぶん:割り振ること)し、結果を足し込むことで全体に占める北米株の割合がわかります。

以下の画像では保有商品一覧表の右側に、地域単位ごとに保有商品の割合を集計するテーブルを作成し、このテーブル上の項目の和で保有資産全体に占める投資先の割合を算出しています。

先ほど北米株の保有量は評価額の何%かという問いがありましたが、O列のテーブル”米”の一番下が北米株の合計で答えは46%です。

従って全世界の株式市場の時価総額の56%よりアンダーウェイトだということがわかります。

もし投資方針として全世界の株式の時価総額の割合に追従するのであれば、北米株を厚めに買わなくてはいけません。

こうしたことは保有商品一覧表を見ていただけではわからないことですね。

 

【参考】地域バランス問題の発生条件

インデックス投資の地域バランス問題は以下の条件を満たすと発生します。

  • 条件1:複数の国/地域に投資するインデックス商品を保有する
  • 条件2:複数のインデックス商品を保有する

要するに「先進国株式インデックスファンド」みたいな中途半端な指数で分散投資するだけで、ほとんど自動的に抱え込む課題です。

先の例題では5つの商品に北米株が含まれていましたが、最小のケースでは例えば以下の2つしか保有しなくてもポートフォリオ内の北米株の保有比率はわからくなくなります。

  • たわらノーロード 先進国株式
  • SPY、もしくはSPY連動など

インデックス投資は簡単に地域分散投資ができますが、同時に簡単にポートフォリオのバランスがわからなくなります。

ちなみにこうした煩わしさを回避したければ全世界系のインデックス商品にのみ投資することです。

この点については先程の記事でも触れています。

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というわけで以降ではバランス問題を解決する具体的な方法を説明しますね。

 

リージョンテーブルの作成

先程、保有商品一覧表の右側に登場したテーブルをリージョン(地域)テーブルと呼ぶことにします。

リージョンテーブルとは自分が捕捉したい単位に地域を分けて、投資割合を集計する表になります。

画像では日、米、欧、他、新の5つとなっていますが、お好みで違う地域単位に分けても構いません。

今回のリージョンテーブルの項目の意味は以下のとおりです。

  • 日:日本株の割合
  • 米:北米株の割合
  • 欧:欧州株の割合
  • 他:先進国株で日米欧以外の割合
  • 新:新興国株の割合

すべての株式はこのリージョンテーブルのどこかに属し、このテーブルの値を集計して地域ごとの割合を求めます。

 

単一リージョンに収まる商品の場合

以下の画像ではA3セルが”eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)”で、リージョンテーブル”日”のN3セルの値が”1.5%”となっています。

なお画像はA列を固定表示にしてありますので隣がリージョンテーブルのM列からの表示になっています。

eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)はTOPIX連動商品ですから、この商品単体では日本株式100%です。

ですからN3セルの値(保有商品一覧表の評価額合計に占めるeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の割合)は以下の計算式から求めることができます。

=E3/E15

分母のE15セルはポートフォリオ全体の合計額、E3セルはeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の保有量です。

つまりeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)は評価額全体の1.5%の割合を日本株で占めている、という意味になります。

N9セルの値もTOPIXですから同じように求まりますね。

さらに同じやり方で新興国株、VTI、SPYも割合がわかります。

まず新興国株についてはニッセイ新興国株式インデックスファンド、eMAXIS Slim 新興国株式インデックス、(VWO)新興国株式、(2836)SENSEXが各商品単体で新興国株100%ですから、すべてリージョンテーブル”新”に対して同じやり方で割合を求めることができます。

次にVTI、SPYも各商品単体で北米株100%ですからリージョンテーブル”米”に対して同じやり方で求まりますね。

リージョンテーブルの赤いフォントは地域に対して投資割合が100%の商品です。

 

複数リージョンにまたがる商品の場合

リージョンテーブルのフォントが青と緑のものは、1つの商品で複数のリージョンにまたがって投資しています。

例えばA4セルの”ニッセイ 外国株式インデックスファンド”は米、欧、他の国々に投資しています。

ニッセイ 外国株式インデックスファンドという商品は、ベンチマーク(連動する指数)が「MSCIコクサイ・インデックス」といって日本を除く先進国の株価動向に連動するように作成されています。

では各リージョンで求められている割合はどのように算出したらよいでしょうか?

 

複数リージョンの構成割合の調べ方

これはMSCIコクサイ・インデックスを調べることでわかります。

インデックス(指数)は何をどれくらい含んで構成しているという情報を公開していますので、この値を参照します。

つまり商品が連動している指数がわかればどの地域にどのくらいの割合で投資しているかがわかるということです。

青いフォントのあと2つですが、ひとつは保有する口座が違うだけで同じニッセイ 外国株式インデックスファンドです。

もうひとつはたわらノーロード 先進国株式ですが、こちらもベンチマークは同じMSCIコクサイ・インデックスになります。

もう一方の緑のフォントの方ですが、リージョンテーブルは日、欧、他になっています。

これはFTSE Developed All Cap ex US インデックスといって北米を除く先進国株式で組成されています。

ひとまずここまでで複数リージョンにまたがる場合の割合の調べ方として、連動するインデックスを見ればよいことがわかりました。

 

インデックスの調べ方

ファンドがどのインデックスに連動しているのかは証券会社の保有商品のページを見れば書いてあります。

インデックスの構成割合はインデックスそのものを調べてもよいですが、大体はファンドの目論見書に載っていますのでこちらの方が手っ取り早いでしょう。

またインデックスの構成割合は時間が経つと変わりますので、正確な情報で運用したい場合は適宜更新する必要があります。

しかし私個人はそこまでこだわらずにかなりザックリで大体把握できればOKとしています。

 

インデックステーブルの作成

次に各リージョンごとの保有割合を求めるためにインデックスの組成内容を定義するインデックステーブルを作成します。

インデックステーブルは保有商品一覧表+リージョンテーブルと同じシート上でもよいですし、私のサンプルではシートIndexTablesという名前で別シートに作成しています。

以下の画像は別シートIndexTablesに作成したMSCIコクサイ・インデックスのインデックステーブルで、A列、B列がMSCIコクサイ・インデックスが提供している国名と割合の情報です。

このインデックステーブルの情報を使ってリージョンテーブル上に保有商品の割合を求めます。

しかしリージョンテーブルは名前のとおりリージョン(地域)単位なのですが、インデックスが提供しているのは国単位の割合です。

つまりインデックスの国単位の情報を自分が集計したいリージョン(地域)単位にまとめる必要があります。

まずリージョンテーブルの米については、MSCIコクサイ・インデックスのUSの値”69%”をそのまま使用することができます。

次にリージョンテーブルの欧、他についてはC列、D列に”欧”、”他”の項目を作ってまとめます。

D2セルの数式

=SUM(B3,B4,B7,B10)

欧州はイギリス、フランス、ドイツ、オランダの4カ国ですのでかなりザックリですみません。

D3セルの数式

=SUM(B5,B6,B8,B9,B11)

その他先進国はカナダ、スイス、オーストラリア、香港、その他です。

欧にどこの国を含めて、他にどこの国を含めるかについては使う人の判断で決めてよいでしょう。

こうすることで以下のことがわかります。

  • リージョンテーブル米に該当するMSCIコクサイ・インデックスの割合は69%
  • リージョンテーブル欧に該当するMSCIコクサイ・インデックスの割合は15%
  • リージョンテーブル他に該当するMSCIコクサイ・インデックスの割合は16%

こうしてインデックステーブルで求めた割合を各商品の評価額に乗算することで、それぞれの商品の各リージョンに対する投資割合を求めることができます。

O4セルの数式

=E4*IndexTables!B2/E15

P4セルの数式

=E4*IndexTables!D2/E15

Q4セルの数式

=E4*IndexTables!D3/E15

参考までにO4セルの計算式の項の意味は以下のとおりです。

  • E4:ニッセイ 外国株式インデックスファンド(特定口座分)の評価額
  • IndexTables!B2:MSCIコクサイ・インデックス内の北米株の割合69%(サンプルではインデックステーブルをIndexTablesという名前の別シートに作成し、そのIndexTablesシートのB2セルを参照しているという表記です)
  • E15:ポートフォリオ全体の合計額

つまりポートフォリオ全体の合計額に占めるニッセイ 外国株式インデックスファンド(特定口座分)内の北米株の割合は6.2%であることがわかります。

リージョンテーブルの青いフォントは同じMSCIコクサイ・インデックスを使用しています。

リージョンテーブルの緑のフォントはVEAのFTSE Developed All Cap ex US インデックスです。

MSCIコクサイ・インデックスと同じようにFTSE Developed All Cap ex USのインデックステーブルを作成します。

画像にはMSCI EAFAインデックスがありますが、これは私が以前EFAを保有していた際に使っていたもので、現在はVEAに乗り換えたので右側のFTSE Developed All Cap ex US Indexを使用しています。

 

リージョンテーブルの集計

保有しているすべての商品の投資割合をリージョンテーブルに落とし込んだら、後はテーブル下で各列ごとの値を合計すれば保有商品一覧表に占める各リージョンの割合が求められます。

これで全世界の株式の時価総額の割合と保有商品一覧表の割合を常に比較できるようになります。

世界の時価総額シェアと比較すると、

サンプルポートフォリオは以下の状態であることがわかりました。

  • 日本株:7.3%に対し12%でオーバーウェイト
  • 米国株:55.8%に対し46%でアンダーウェイト
  • 欧州・その他先進国株:25.4%に対し26%で大体同じ
  • 新興国株:11.5%に対し17%でオーバーウェイト

このリージョンテーブルとインデックステーブルを使った集計は最初だけ面倒かもしれませんが、一度作ってしまえば以降は常に株式インデックス内での比率が把握できるようになります。

必要なインデックステーブルもせいぜい3〜4程度でしょうし、メンテナンスとしてやることと言えば商品を乗り換えた際にリージョンテーブルに新たに落とし込むことくらいですので手間も掛かりません。

 

そーたろー
そーたろー

おつかれさまでした、記事が長くてスミマセン

 

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応用編

リージョンテーブルとインデックステーブルを使った集計を応用して、任意の単位で投資比率を変更することができます。

今回紹介した方法では各インデックスの構成割合を参照しているので、国単位で投資先をコントロールすることができます。

例えばサンプルでは(2836)SENSEXを保有しているようにインド株だけ保有比率を高めたい、中国株をもっと買いたい、ASEANを厚めに買いたいなどのニーズであれば特定のETFを買うことで比率を上げることができます。

任意の国や地域の単位でどのくらい増やすと何%になるのか、といった判断ができます。

また株式インデックスだけでなく、債券インデックスやREITインデックスでも同じやり方で国別/地域別のバランスを把握することができます。

 

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まとめ

今回は株式インデックスの投資先の割合をGoogleスプレッドシートを使って自動計算させる方法を解説しました。

証券口座が増えたり、投資商品(特にETF)が増えると投資先の割合がわからなくなると思いますので、今回の方法を活用してみてください。

また特定の国や地域に厚めに投資する場合の投資バランスの把握にも使えると思います。

投資信託のつみたてだけでなく、インデックス投資をもっといろいろアレンジしたい人にもおすすめです。