こんにちは。『お金に困らない生活(インデックス投資ブログ)』管理人のそーたろー(@sotarowassyoi)です。
ここはどんなブログなの?
- お金、投資、資産運用、副業が中心のブログです。
この記事を書いたそーたろーはこんな人です。
- 2008年から国内・海外ETF、つみたてNISA、iDeCoなどでインデックス投資をしています。
- 2020年より米国株オプション、サラリーマン大家、副業ブログを実験中です。
この記事は次のような人にオススメです
- キャッシュ・セキュアード・プットってナニ?という人
- インデックス投資とオプション取引の融合に関心がある人
この記事の目的
標準的なインデックス投資を実践している人は以下の資源を保有していることでしょう。
これらを大事に抱きかかえて耐え忍ぶのがバイ・アンド・ホールド作戦といったところでしょうか。
今回はこうしたインデックス投資の資源を有効活用できる米国株オプションの取引戦略を紹介します。
オプション取引のなかでも以下の2つはリスクが限定された初心者向けの戦略と位置づけられています。
これらのオプション戦略はインデックス投資とも相性がよく、運用利回りの向上が期待できるでしょう。
今回はキャッシュ・セキュアード・プットを紹介します。
- キャッシュ・セキュアード・プットとは株を買い取れる現金を用意してプット・オプションを売ること → 指値注文でお金がもらえるのと同じ
- 単純で安全性が高く初心者向きのオプション取引戦略です
オプション取引の4つの基本形
オプション取引はコールとプット、買いと売りで以下の4つの組み合わせがあります。
4つの基本形については以下の記事で解説しています。
オプション戦略の使い分けについては以下もどうぞ。
オプションの売りについて
オプション取引で初心者向けと言われるキャッシュ・セキュアード・プットとカバード・コールは4つの基本形でいうと以下のとおりです。
キャッシュ・セキュアード・プットもカバード・コールもオプションの売りになります。
オプションの売りを簡単に説明すると以下のとおりです。
一般的にオプション売りは以下のような説明がされます。
こんなこと言われたらビビりますよね。
リスクは自分で限定できる
しかしキャッシュ・セキュアード・プットとカバード・コールでは損失を限定した上でのオプション売りで、損失は無限ではありません。
以下のような特徴があります。
つまりリスク管理さえしっかりしていればオプション売りで得たプレミアムによって、ただインデックス投資するよりも運用利回りの向上が期待できるよね、ということです。
以降ではキャッシュ・セキュアード・プットの詳細を説明します。
キャッシュ・セキュアード・プットとは?
まずプット売りから、次にキャッシュ・セキュアード・プットを説明します。
プット売りの考え方
今から株を買いたいとして、以下の2パターンの方法を比較します。
つまり以下のように解釈することができます。
プット売りは普通に株を買うよりも、オプションのプレミアム(クレジット)が受け取れる分だけ得することになります。
キャッシュ・セキュアード・プットってどういう意味?
ではキャッシュ・セキュアード・プットとは何でしょうか?
通常の株取引とプット売りでは以下のような目的の違いがあります。
通常の株取引は株を買うことが目的なので支払代金を準備するのが前提です。
一方でプット売りはプレミアムの獲得が目的なので、プットを売りさえすればプレミアムが最初に入手できます。
プット売りで株を買い取らなければならないのは株価が権利行使価格に到達して権利行使された場合です。
つまりプット売りはプレミアムを先に受け取り、株式の引き取りと代金は後払いです。
しかもオプション取引ではレバレッジを駆使すれば大きなプレミアムを獲得することができます。
その結果、
だから、
ということです。
以下の条件を満たして初めて通常の株取引と同じ指値注文といえます。
わざわざキャッシュ・セキュアード・プット(現金確保売り)という名前がついているのはこのためです。
ネイキッド・プットとは?
現金が確保されているキャッシュ・セキュアード・プットに対して、現金が確保されていない単純なプット売りのことをネイキッド・プット(naked put)といいます。
一般的に「オプションの売り取引は損失が無限で危険」と説明されるのはネイキッド・プットのようなリスクヘッジがない取引のことを言っています。
プットは株価の下方向への保険提供ですから、厳密にいえば損失は無限ではなく株価がゼロ(つまり倒産)までの有限ですが、特にレバレッジが利いた取引では一発退場でしょう。
プット売りはキャッシュ・セキュアード・プット(現金確保売り)が原則です。
米国株オプションによるキャッシュ・セキュアード・プットの取引例
権利が消滅するケース
青丸でプット売り、ピンク丸で満期、オレンジ線が権利行使価格です。
PFE(ファイザー)を100株、期間は2週間でプレミアム0.22USDのオプションでした。
青丸時点で株価が33.4USD近辺で、2週間以内に権利行使価格32ドルまで下がらない方に賭けたゲームです。
キャッシュ・セキュアード・プットですので以下の資金をあらかじめ用意してからプットを売っています。
今回の取引では以下の結果が想定されました。
今回は株価が急騰して満期日に38USD付近でしたので、前者Aで権利消滅して取引を終了しています。
今回のプット売りでは満期日に株価32USD以下なら32USDでPFE100株を引き受ける義務を負います。
その約束代がプレミアムの22USDですので、結果に関係なくプットを売った時点でプレミアムが得られます。
権利行使で株式が割当されたケース
青丸でプット売り、ピンク丸で満期、オレンジ線が権利行使価格です。
同じくPFE(ファイザー)を100株、期間は2週間でプレミアム0.22USDのオプションでした。
青丸時点で株価が37.8USD近辺で、2週間以内に権利行使価格36.5ドルまで下がらない方に賭けたゲームです。
今回もキャッシュ・セキュアード・プットで資金をあらかじめ用意してからプットを売っています。
今回の取引では以下の結果が想定されました。
今回はプットを売った翌営業日から株価が下げ出して、そのまま満期日に36USD付近でしたので、後者Bで株を買い取って取引を終了しています。
今回のプット売りでは満期日に株価36.5USD以下なら36.5USDでPFE100株を引き受ける義務を負います。
その約束代がプレミアムの22USDですので、プットを売った時点でプレミアムを得て、最後は義務である株を買い取っています。
終値で36.07USDの株を義務である36.5USDで買い取りますので、手に入れた瞬間から含み損です。
なおオプション取引の戦略としては、買い取った株を使ってこのあとカバード・コールへ移行するのが当初からの目論見です。
キャッシュ・セキュアード・プットとカバード・コールを組み合わせた使い方については以下の記事をどうぞ。
サクソバンク証券でのキャッシュ・セキュアード・プットのやり方は以下の記事で紹介しています。
以上のとおり、株を引き受けられるお金さえ用意できていればリスクはその範囲に収まるため、リスクを限定してオプションのプレミアムを得られるのがキャッシュ・セキュアード・プットです。
まとめ
今回はオプション取引のキャッシュ・セキュアード・プット戦略を紹介しました。
一見とっつきにくいオプション取引ですが、キャッシュ・セキュアード・プットはシンプルで初心者向きです。
「インデックス投資超ヒマすぎ問題」でお困りの方は検討してみてはいかがでしょうか。
米国株オプションはサクソバンク証券で取引できます。
実践のまとめもどうぞ。
【参考】米国株オプションを勉強したい人におすすめ、KAPPAさんの本
公式 サクソバンク証券