こんにちは。『お金に困らない生活(インデックス投資ブログ)』管理人のそーたろー(@sotarowassyoi)です。

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この記事を書いたそーたろーはこんな人です。
- 2008年から国内・海外ETF、つみたてNISA、iDeCoなどでインデックス投資をしています。
- 2020年より米国株オプション、サラリーマン大家、副業ブログを実験中です。

この記事は次のような人にオススメです
- 税制改正に関心がある人
この記事の目的
2020年11月18日に日本証券業協会から「令和3年度税制改正に関する要望」が公表されています。
NISA、確定拠出年金などの個人投資家に関係がありそうな部分を紹介します。
9月に金融庁から「令和3年度税制改正要望」が出ていますが、今回の日本証券業協会の方が内容的にボリュームがあります。
証券団体による「令和3年度税制改正に関する要望」
2020年11月18日に日本証券業協会から以下が公表されています。
見出しだけ紹介するとこんな感じです。
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策等に係る税制措置
- 金融商品に係る損益通算範囲の拡大等に係る税制措置
- 世代間の資産承継を円滑にするための税制措置
- 家計の自助努力による資産形成を支援するための税制措置
- 「国際金融都市」としての競争力強化のための税制措置
- 地方創生のための税制措置
- SDGs(持続可能な開発目標)推進のための税制措置
- 金融所得に対する課税のあり方に係る税制措置
- 市場環境の整備、投資者の利便性向上及び金融機関の負担軽減のための税制措置
- その他の税制措置
要望事項だけで5ページ、全部で52ページとかなり量が多いので、個人的に気になった赤のマーカー部分から抜粋して紹介します。
デリバティブの損益通算
- Ⅱ 金融商品に係る損益通算範囲の拡大等に係る税制措置
- ① デリバティブ取引等を金融商品に係る損益通算の範囲に含めること
これは金融庁の要望と同じで、株式とデリバティブの損益通算を認めて欲しいという要望です。

NISA、確定拠出年金
- Ⅳ 家計の自助努力による資産形成を支援するための税制措置
- 2.NISA 制度の恒久化・根拠法の制定等
- ① NISA 制度を恒久化又は延長すること
- ② NISA が国民の安定的な資産形成に資する恒久的な制度となるよう根拠法(NISA 法)
を制定すること- ③ 取得後5年又は 20 年とされている NISA の非課税保有期間を恒久化又は延長すること
- 3.確定拠出年金制度の拡充等
- ① 確定拠出年金に係る特別法人税を撤廃すること
- ② 確定拠出年金制度の拡充や利便性向上を図るため、以下の措置を講じること
- 拠出限度額の見直し(特に第2号被保険者について拠出限度額の引上げによる金額
の統一を図ること)- マッチング拠出の弾力化
- 退職準備世代に対して追加の拠出枠(キャッチアップ拠出)を設けること
- 中途引出要件の緩和
- 老齢給付金の受給要件の緩和
- 国民年金の第3号被保険者が個人型確定拠出年金に拠出した掛金を配偶者の所得
から控除可能とすること
こちらは世間一般の個人にも関わりが大きいと思われるNISAと確定拠出年金に関する要望です。
NISAの方は制度の恒久化と非課税期間の延長、確定拠出年金の方は特に特別法人税が撤廃されれば心配事がひとつ減りますね。
金融課税
- Ⅷ 金融所得に対する課税のあり方に係る税制措置
- 2.上場株式等の譲渡損失の繰越控除期間の延長
- 上場株式等の譲渡損失の繰越控除期間(現行3年間)を延長すること
- 3.配当の二重課税の排除
- 配当の二重課税排除の徹底を図る観点から、例えば配当所得の課税標準額を受取配当額の2分の1の金額とすること
2の譲渡損失の繰越控除期間の延長は個別株をやる人は実現すると助かりますね。
3は、株式の配当は税引き後の利益の分配なんだから、配当をもらった人が税金を払うのは二重課税にあたるからなくすべきだということです。
投資者の利便性向上
- Ⅸ 市場環境の整備、投資者の利便性向上及び金融機関負担軽減のための税制措置
- 1.特定口座の利便性向上
- ② 上場株式等の発行体が行うコーポレートアクションのうち、経済実態に実質的な変更が無いと考えられる場合には、課税を繰延べるとともに、当該上場株式が特定口座で保有されていたものについては、当該コーポレートアクションによって付与される上場株式等の取得時に特定口座への受入れを可能とすること
これは先日私がVTRSの割り当てを受けたようなコーポレートアクションによる株式の付与が一般口座になってしまうことを改善すべきだという要望ですね。

サクソバンク証券の場合は外国株式が特定口座に対応していないのでそもそも該当しませんが、主要ネット証券は2013年ころから次々と特定口座対応を開始しているため実現することが望ましいですね。
外国税額控除制度と住民税
- Ⅹ その他の税制措置
- 投資信託等(証券投資信託・ETF・JDR・REIT 等)に係る外国税額控除制度について、住民税の取扱いを見直すこと
国税については外国税額控除が使えるけど、住民税では使えないから改善すべきだという要望です。
2020年1月から外国株などへ投資する国内投信の二重課税が解消されたのは日本証券業協会の要望によるものだそうです。
今回の要望ではさらに範囲を住民税にまで広げるべきだと言っています。
しかしこれはその通りなのでしょうが、外国株については外国税額控除を使って還付申請が必要なところから改善して欲しいですね。

そもそも理不尽な二重課税でわざわざ還付手続きをしなくてはならず、しかも全部戻ってくるわけでもないですし。
まとめ
今回は日本証券業協会から出された「令和3年度税制改正に関する要望」から個人的に気になる部分を紹介してみました。
個人的に知らなかった論点などもあって勉強になりました。
これらが少しでも改善されればより資産運用が便利になると思うのでとても興味深かったです。