こんにちは。『お金に困らない生活(インデックス投資ブログ)』管理人のそーたろー(@sotarowassyoi)です。

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この記事を書いたそーたろーはこんな人です。
- 2008年から国内・海外ETF、つみたてNISA、iDeCoなどでインデックス投資をしています。
- 2020年より米国株オプション、サラリーマン大家、副業ブログを実験中です。

この記事は次のような人にオススメです
- 米国バンガードの動向に関心がある人
この記事の目的
米国バンガード社が直近のグローバル国際成長戦略をプレスリリースしていたので紹介します。
バンガードは2020年に日本から撤退してしまいましたが、世界各国では個人投資家向けのサービスを新たに展開しているとのことです。
今回のプレスリリースでは特に中国での活動にフォーカスしています。
米国バンガードの世界進出とグローバル成長戦略
今回のリリースでは以下の4カ国におけるバンガードの直近の活動について言及しています。
今回は中国以外の国におけるサービスが具体的にどのようなものかまでは触れられていませんが、個人投資家に対してファイナンスに関する助言を与えたりするサービスのようです。
Vanguard Is Bringing Our High-Quality, Low-Cost Solutions Across the Globe | Vanguard
中国における米国バンガードの活動
今回のリリースでは特に中国での活動に焦点が当てられています。
中国は重要な市場であり、バンガードの主要な焦点です
中国は世界の経済生産の大きなシェアを占めており、今や世界で2番目に大きな株式市場です。バンガードは低コストで価値の高い提案を個人投資家へもたらします。
具体的な活動として以下の3点が紹介されています。
Ant Groupとの合弁事業(JV)
JVを通じて投資目的、期間、リスク選好度合いに応じたサービスをAlipayアプリ(AntGroupが運営するウェルスマネジメントプラットフォーム)を介して投資家に提供します。
中国の個人投資家に対する助言サービス
このパートナーシップを通じて、バンガードは中国の個人投資家が質の高いウェルスマネジメントアドバイスにアクセスするできるように複雑さとしきい値を大幅に低下させています。
すべての投資家は800人民元($ 119)からAlipayアプリを通じて高品質な投資アドバイスへアクセスできます。
個人投資家向けファンドマネジメント会社の準備
中国の人々は富を獲得し、より多様な投資機会を求めています。政府は公的資金を提供し、個人投資家にサービスを提供するファンドマネジメント会社(FMC)ライセンスを通じて、外国人マネージャーに市場を開放することで対応しています。
バンガードは、中国への長期的な戦略的投資と高品質で低コストなソリューションを投資家に提供することへのコミットメントの一部としてFMCライセンスを取得する予定です。
【参考】個人的な感想
まずバンガードのサービス展開によってお隣の中国が発展することについて、私は中国株ETFなども保有しており歓迎しています。

一方でバンガードの日本法人であるバンガード・インベストメンツ・ジャパンは、残念ながら2020年8月に日本法人を徐々に閉鎖していくことを発表しています。
報道によれば米国バンガードはアジアの拠点を中国に移すと伝えられています。
米バンガード、日本と香港から撤退へ 中国本土に重点 | REUTERS
今回のバンガードのリリースを見るに、英国、オーストラリア、ドイツでは新しいサービスが開始されていますから、バンガードの戦略が先進国から新興国へシフトしているというわけではないようです。
バンガードの日本からの撤退について
バンガード・インベストメンツ・ジャパンが日本で提供するサービスは、国内籍の投資信託にとどまっていました。
私の個人的な推測になりますが、日本の個人投資家に対して投資助言などの金融サービスを展開してもビジネスとしての旨味がないという判断だったのではないでしょうか。
日本人は欧米人に比べて貯蓄性向が高いと言われています。
お金は汚い、お金儲けは悪いことだ、お金は働いて稼ぐもの、投資は危ない、といった考え方を持つ日本人は程度の差こそあれ少なくないと思います。
それに反して欧米などでは個人資産に占めるリスク資産の割合が日本よりも大きいですから、投資助言への需要が高いと思われます。
そうすると例えばFP(Financial Planner)やFA(Financial Adviser)と呼ばれる投資助言をする立場の人の間に競争原理が働くので、サービスの質や量が保たれるでしょう。
しかし日本の場合はみんな貯金するので、投資助言を必要とする人も少なく、FP間の競争原理も働かないのでパイの奪い合い、カモ狩りになってしまいます。
人前でお金のことを話すのはタブーという国民性もあって、お金の相談自体が後ろめたい行為という背景もあるかもしれません。
バンガードとしては、こうしたファイナンスに閉鎖的・消極的な日本市場での個人投資家への有償サービスの展開はビジネス的にイマイチだったのではないでしょうか。
バンガードは有人サービスではなくAIなどを駆使したサービスを提供するのだと思いますが、開発や運用のコストを考えると割に合わなそうですね。
バンガードは以下のようなプロモーションを行っているわけですが、
バンガードは低コストで価値の高い提案を個人投資家へもたらします。
低コストとはいわば薄利多売ですから、ある程度の利用者が見込めなくてはビジネスとして成立しません。
その結果、日本人は米国バンガード社に見放されてしまい、今後はグローバルな知見を持つ同社のアドバイスを個人が受けられる可能性も今のところなくなってしまったのではないでしょうか。
日本の個人投資家がやるべきことはなに?
こうした事態を受けて私が考えたことは以下の3点です。
バンガードのサービスが普及する機会が失われた
これはパイが大きくならないことが問題でしょうか。
世の中に選択肢が増えれば、多少お金にうとくても個人資産が運用に回りやすくなって経済の活性化が期待できます。
投資して自分だけ儲かればよいという話ではなく、多くの人がお金を運用して多くの人が儲かる環境になった方が結果として自分も豊かになれるはずです。
バンガードが日本から撤退したということは、そういう機会がひとつなくなってしまったのかもしれません。
お金に関することがオープンなテーマになった方がよい
従来から日本ではお金についての適切な相談先がないし、そもそも資産運用に無関心でも困ることはなかったように思います。
こうした背景から私は以下が課題なのではないかと思っています。
前者は終身雇用などの日本の雇用制度なども関係しますが、今後は時代の変化とともに少しずつ変わって行きそうです。
後者はネット証券、スマホアプリの普及などで改善しそうです。
年金問題や老後資金の問題、つみたてNISAや確定拠出年金の普及など、若い世代を中心に徐々に関心が持たれつつあるように感じます。
また2022年からは高校で資産形成に関する授業が導入されると報じられています。
政府も働き方改革の一環で副業を促進したり、と少しずつ社会の変化が起きています。
これから先は少しずつオープンな環境に移行していくのではないでしょうか。
個人の努力でまかなう必要がある
現状ではお金を払ってでも助けてもらいたい人は、残念ながら適切な相談相手をみつけるのは難しいかもしれないという問題があります。
なにしろ「お金について金融機関に相談してはいけない」というのは万国共通の真理です。
今後は日本でもロボアドバイザーなどが普及して個人投資家がより参入しやすい環境が期待できるでしょう。
しかし現状では普通の人が資産運用のノウハウで不足する部分についてサービスを買うということが難しいです。
当面は自分でなんとかするしかないのが実情でしょうか。
以下はそうした課題の助けになるかもしれませんので気が向いた方はどうぞ。

まとめ
今回は米国バンガード社の、特に中国でのリリースを紹介しました。
残念ながら日本ではバンガードの個人投資家向けサービスは利用できませんが、ネット証券経由で低コストETFをありがたく活用させてもらいましょう。

