こんにちは。『お金に困らない生活(インデックス投資ブログ)』管理人のそーたろー(@sotarowassyoi)です。

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この記事を書いたそーたろーはこんな人です。
- 2008年から国内・海外ETF、つみたてNISA、iDeCoなどでインデックス投資をしています。
- 2020年より米国株オプション、サラリーマン大家、副業ブログを実験中です。

この記事は次のような人にオススメです
- 米国株オプション取引に関心がある人
この記事の目的
サクソバンク証券の外国株オプション口座で実施した2020年10〜12月の3か月間の取引を紹介します。
使ったオプション戦略は前回と同じで以下のとおりです。
インデックス投資でバイ・アンド・ホールドしながら、待機資金を使ってオプション取引でキャッシュ・フローを獲得するような作戦を想定しています。
2020年10~12月 サクソバンク証券 外国株オプション実践報告
取引実績
オプションプレミアム
今回は以下の5回の取引を行いました。
取引 日 |
シン ボル |
種類 | ポジ ショ ン |
満期 | 数 量 |
始値 | 権利 行使 価格 |
価格差 | プレ ミア ム |
権利 | 収益 (USD) |
収益 (JPY) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
9/29 | PFE | コール | 売 | 10/16 | 1枚 | $34.56 | $38.50 | 11.4%OTM | $0.22 | 消滅 | $22.00 | ¥1,982 |
9/29 | HYG | コール | 売 | 10/16 | 1枚 | $83.56 | $84.00 | 0.5%OTM | $0.39 | 履行 | $39.00 | ¥3,758 |
10/19 | HYG | プット | 売 | 11/20 | 1枚 | $84.80 | $83.00 | 2.1%OTM | $0.60 | 消滅 | $60.00 | ¥5,942 |
11/06 | PFE | コール | 売 | 11/17 | 1枚 | $34.53 | $38.50 | 11.5%OTM | $0.47 | CA | $47.00 | ¥4,507 |
11/23 | HYG | プット | 売 | 12/18 | 1枚 | $86.14 | $85.00 | 1.3%OTM | $0.64 | 消滅 | $64.00 | ¥6,279 |
合計 | $232.00 | ¥22,468 |
この表の見方について詳しい説明が必要な方は前回の記事をどうぞ。

オプション取引についての基本的な説明が必要な方は以下をどうぞ。




株式売買
今回はカバード・コールの権利行使による株式の売却もありました。
シン ボル |
買値 | 売値 | 数量 | 収益 (USD) |
収益 (JPY) |
---|---|---|---|---|---|
HYG | $83.43 | $84.00 | 100 | $57 | -¥3,167 |
PFE | $36.50 | $36.58 | 100 | $8 | -¥11,504 |
VTRS | – | $16.04 | 12 | – | ¥19,405 |
合計 | $65 | ¥4,734 |
ドル建てでプラスでも円建てでマイナスになるのは手数料控除後であることが理由です。
VTRSはPFEのコーポレートアクションで割り当てられた株式です。
配当・分配金
カバード・コールのために保有していた株式の配当・分配金もありました。
シン ボル |
収益 (USD) |
収益 (JPY) |
---|---|---|
HYG | $35.74 | ¥2,821 |
PFE | $38.00 | ¥2,711 |
PFE | $6.47 | ¥674 |
合計 | $80.21 | ¥6,206 |
損益の合計
これらを合計した損益は以下のとおりでした。
以降では今回のトピックなどを中心に紹介します。
各取引について補足
オプション、売買差損、配当を別々の表で集計すると各取引の内容がわかりにくいので補足しておきます。
9/29 PFE
カバード・コールで、権利行使されずにクローズしています。
今振り返ると価格差に対してプレミアムが異常に高いのですが、調べてみたけど理由がわかりませんでした、うーん。
9/29 HYG
カバード・コールで、こちらは権利行使されて株式を引き渡しています。
2つ目の表のHYG、3つ目の表のHYGがそれぞれ現物株の損益と分配金です。
10/19 HYG
キャッシュ・セキュアード・プットで、権利行使されずにクローズしています。
11/06 PFE
カバード・コールで、CA(Corporate Action)によりクローズしています。
2つ目の表のPFEとVTRS、3つ目の表のPFEがそれぞれ現物株の損益と配当です。
こちらも11.5%OTMで$0.47という異常に美味しいプレミアムが謎ですね。
11/23 HYG
キャッシュ・セキュアード・プットで、権利行使されずにクローズしています。
原資産について
前回から引き続きPFE(ファイザー)を使っています。
PFEはディフェンシブ銘柄、高配当、株価が手頃、高いオプション流動性、といった理由からオプション取引の練習にちょうどいいと思っています。
今回は新たに米国社債ETFのHYG(iShares iBoxx $ High Yield Corporate Bond ETF)も使いました。
HYGは社債ETFのため低ボラティリティ、高配当、毎月分配、高いオプション流動性、といった特徴があります。
HYGは当初の目的である「インデックス投資でバイ・アンド・ホールドしながら、待機資金を使ってオプション取引でキャッシュ・フローを獲得する」に見合っているため利用しました。
カバード・コールについて
9/29にPFEとHYGのコール売りを行っており、どちらもカバード・コール(権利行使に備えてヘッジのための現物株を保有)です。
PFEの方は9月にキャッシュ・セキュアード・プットの権利行使で引き受けたものですが、HYGの方はカバード・コールのために自分で買い入れました。
HYGのコール売りは、株式売買の損益単体では-3,167円となってしまいました。
理由は$0.57という小幅な差益で手数料負けしたためで、詳しくは以下の記事で紹介しています。

この失敗はカバード・コールの権利行使価格の選び方について勉強になりました。
PFEのコーポレートアクション
11/6に再びPFEのコール売りを行っていますが、翌週にスピンオフが発表されるというアクシデントがありました。

ファイザーのジェネリック部門が分社化されてマイランと合併、新会社ヴィアトリスが設立されるというコーポレートアクションでした。
これによりVTRS(ヴィアトリス株)が割り当てられたものの、VTRSもPFEも売却されることになりました。
税金について
2021年1月時点では以下の公式情報に外国株式オプションの記述がありません。
私としては以下のような点が気になっており、口座開設当初から調べていました。
1についてはサクソバンク証券の対応が不適切だったことがわかりました。

2についてサポートからは「通常の株式と同じ譲渡所得である」と回答が来ていますが、ネットで調べた感じでは損益の計算にはオプションのプレミアムが加味されるようです。
譲渡所得の損益計算は通常とは違うのではないかという点について引き続き確認中です。
3については、雑所得は本来は総合課税(累進課税で最高税率55%)で、申告分離課税(一律20.315%)となるには特例の要件を満たす所得である必要があります。
サクソバンク証券の外国株式オプションは外国市場デリバティブ取引であり、これは雑所得が申告分離課税で扱われるための特例を満たしていないのではないか、というのが私の疑問です。
これらの点については以下の記事にまとめましたのでよかったらどうぞ。

【雑感】米国株オプション取引の感想
2020年の収益は以下のとおりです。
- 3Q:12,343円
- 4Q:33,408円
- キャリーコスト:-945円
合計:44,806円
相変わらず少額でチマチマやっています。
半年でたった4.5万円ぽっちか、という感じもしますが、私的には大いに意味があると感じています。
この記事の上の方でも書いていますが、私がオプション取引をやっている目的は以下のとおりです。
危ない橋を渡って高いリターンを求めているのではなく、待機資金の有効活用です。
オプションはデリバティブ取引(金融派生商品)に分類され、ハイリスク・ハイリターンという認識が一般的でしょう。
しかしリスクが高いかどうかはオプションの使い方の問題です。
オプションをネイキッドで売ればリスクは無限ですが、キャッシュ・セキュアード・プット&カバード・コールはリスクが限定された取引戦略です。
そしてオプションをやっていなければただ口座に積んであるだけのお金が、コントロールされたリスク管理のもとで狙いどおりキャッシュを生んでいます。
大事なことは以下の点です。
オプションのプレミアムは保険の売り手になることで得られる約束料なのであって、相場の上手下手で儲けが決まる話ではありません。
こうした思想はインデックス投資のバイ・アンド・ホールドともよく馴染むし、投資方針が喧嘩することもありません。
インデックス投資をやっている人で私と同じように債券クラスの保有に疑問を持つ人はたくさんいると思います。

こうした人が次に取り組むべきは、株式オプションのコール売りとプット売りではないでしょうか。
多くの人はポートフォリオに占める米国株式は半分以上を超え、リスク管理のため無リスク資産を確保しているでしょう。
こういう人は米国株オプションでプレミアムを稼ぐ条件が揃っていると思います。
銀行の定期預金の金利が0.002%/年の時代に、口座で遊んでいる現金を担保にオプションで時間価値を空売りすれば利回り5〜10%/年が期待できます。
銀行預金では100万円が1年間資金拘束されて得られる金利は20円です。
私が半年間米国株オプションを売って得たお金は44,806円で、口座に入れたお金は180万円でした。
単純計算でもこれだけの年利回りです。
実際に使ったのはPFEの買い取りが40万円くらい、HYGの買い入れが90万円くらいですから、計130万円で計算すると7%です。
オプションはボラティリティの大きさでプレミアムの値段が決まります。
原資産HYGに関して言えば債券ETFなので値動きが小さいのですが、そうしたオプションを売ってもこれだけの利回りが取れます。
原資産を株式ETFや個別株にするなど、もっと積極的な作戦でもOKという人であればもっと取れるでしょう。
株式オプションで得られるお金というのは金融資産による不労所得です。
たとえ金額が小さくとも、銀行預金の20円と比べれば半年で得られた44,806円は価値が高いんじゃないかなー、と考えるのはこうした理由です。
まとめ
今回は2020年10〜12月の3か月間の米国株オプション取引実績を紹介しました。
インデックス投資で個人向け国債や債券ファンドがビミョーだと感じる人は米国株オプションを検討してみてはいかがでしょうか。
【参考】米国株オプションを勉強したい人におすすめ、KAPPAさんの本

公式 サクソバンク証券
