こんにちは。『お金に困らない生活(インデックス投資ブログ)』管理人のそーたろー(@sotarowassyoi)です。
ここはどんなブログなの?
- お金、投資、資産運用、副業が中心のブログです。
この記事を書いたそーたろーはこんな人です。
- 2008年から国内・海外ETF、つみたてNISA、iDeCoなどでインデックス投資をしています。
- 2020年より米国株オプション、サラリーマン大家、副業ブログを実験中です。
この記事は次のような人にオススメです
- 米国株オプションの確定申告が憂鬱な人
この記事の目的
米国株オプションの確定申告が憂鬱です、というお悩みを頂いたのでコメントしてみます。
なお私は確定申告の個別サポートや税金に関する質問にはお応えできませんので、ご不明点は税務署または専門家へお願いいたします。
Q.米国株オプションの確定申告のやり方がわからなくて不安です
読者の方からいただいた質問を紹介します。
初めまして。
いつも楽しく拝見させて頂いております。オプション取引に興味はあったのですが中々踏み出せずにいたところ管理人様のサイトを拝見しキャッシュセキュアードプットやカバードコールという安全なやり方もあるのだと思い思い切って初めてみました。
最初は管理人様のサイトを見ながら、おっかなびっくりやってみたところそんなに難しくないと思うようになり、現在は慣れてきたので銘柄を4銘柄、1銘柄2週間サイクルで取り引きしております。
原資産は全てアメリカETFです。管理人様のやり方を忠実に守って取り引きしていたらコツコツ利益が積み重なって今年の始めから3月末までで20万超えそうな利益となっております。
このまま取り引きすればまずまずの利益になると思っていたのですが、ここで税金の事を考えるようになりました。
管理人様も確定申告をご自分でなさっているそうですが、色々調べるとこのオプション取引に対する確定申告はかなり面倒なのではと思っております。
実際の所いかがでしょうか?
管理人様のサイトには確定申告は銘柄と取引数が少ないからさほど難易度の高いものではないとかいてありましたが、やはり銘柄は2銘柄程度に絞ってサイクルをもう少し長めに取った方がいいのでしょうか?
来年の確定申告を考えると憂鬱になってしまい今は取り引きを控えています。
突然のご連絡で恐縮ですがご教授頂けますと幸いです。
宜しくお願いします。
A.一旦証券取引から離れて、個人の決算の出し方を学んではいかがでしょう
まずはオプション売りで利益が出ているとのことでおめでとうございます。
質問者さまが書かれているとおり、キャッシュ・セキュアード・プットもカバード・コールも難しくないですし、短期的には個々の取引の上手下手もあまり関係ないです。
オプション売りはコツコツドカンゲームなので、マーケットの急落に捕まらない限りは自動的に利益になるため私もインデックス投資と並行してお小遣いに使っています。
しかしその結果、確定申告が必要になるんだけど憂鬱だ、、、ということですね。
日本では会社員で年末調整を受けた給与所得以外の所得が20万円以下であれば確定申告は不要なので、このあたりのルールに引っかかってくるということなのでしょう。
私は確定申告の個別サポートはできませんが、お悩み相談としてみなさんのお役に立てるかなと思って取り上げてみました。
私の回答としてはこの章のタイトルのとおり以下のようなものです。
私は確定申告で税金を納めるまでが外国株式オプション取引の一連のセットだと考えているので、税制や申告のやり方まで含めてきちんと理解して自分で対応できるようになるべきと思っています。
取引の前提について
質問に答える前に誤解がないように最初に話の前提を決めておきます。
IB証券などの海外籍の証券会社の場合、課税の考え方や為替レートの取り扱いが変わるようなので当てはまりません。
またオプション取引では複数のポジションを組み合わせた複雑な取引手法なども無数にありますが、私は単一のオプションを使った上記の取引しか行っていません。
A1.確定申告は面倒なの?
まずは最初の質問。
管理人様も確定申告をご自分でなさっているそうですが、色々調べるとこのオプション取引に対する確定申告はかなり面倒なのではと思っております。
実際の所いかがでしょうか?
私の回答は以下のとおりです。
ただ、面倒に感じるか、難しく感じるか、というのは主観的なことなので、個人の感じ方を議論してもあまり意味がありませんね。
なぜ私が面倒に感じないか、難しくないと感じるかについては後述します。
A2.取引について
続いて以下の質問に対する回答。
管理人様のサイトには確定申告は銘柄と取引数が少ないからさほど難易度の高いものではないとかいてありましたが、やはり銘柄は2銘柄程度に絞ってサイクルをもう少し長めに取った方がいいのでしょうか?
銘柄単位での集計・申告はないので銘柄数は直接的には関係ありませんが、銘柄が増えると取引が分散される傾向があるし、取引回数が増えると集計対象が増えるので、取引回数を増やさないために銘柄を絞った方が手間は減らせるだろう、という意図で書いた記事だと思います。
ところがこのあたりの事情はすでに変わっていて、私の記憶では2020年分の確定申告では自分で集計する必要があったと記憶していますが、2021年分についてはサクソバンク証券が年間取引報告書を出してくれているので、現在はそれほど負担にはならないと考えています。(これが難しくないと思う理由です)
取るべきアクション
具体的にどうしたらよいかというアクションについて紹介します。
確定申告の攻略法
確定申告という個人の決算の出し方については学校では教わりませんし、社会に出ても自然に身につくものでもないので、いきなり必要になっても困りますよね。
質問者さまが憂鬱に感じていらしゃるのが以下のどちらなのかまではわかりませんが、
A.オプション取引の税処理のやり方がわからない
この場合は不明点を明確にしてサポートまたは税務署に確認しましょう。
【参考】オプション取引にかかる税金
私が理解するオプション取引にかかる税金と求められるデータを簡単にまとめておきます。
詳細については証券会社、税務署または専門家へお問い合わせください。
以下は関連記事です。
1.配当所得(外国税額控除)
2.譲渡所得
3.雑所得
B.確定申告自体やり方がわからない
こちらの場合、特に会社員の場合は年末調整で済んでしまう人がほとんどなので、確定申告に馴染みがない人が多いと思います。
そしてある年から外国株式オプション取引の税金を自分で処理しなければならない、となったらそりゃ困りますよねぇ。
そこで私なりの解決策を考えたのが以下です。
a.確定申告書作成コーナーでシミュレーションしてみる
確定申告書作成コーナーというのは国税庁が提供している確定申告書を作成するためのWebサイトです。
確定申告書作成コーナーは税金の計算機として自由に使うことができるので、やったことがないからわからないのであれば実際に自分で確定申告書を作ってみるのが理解の早道です。
用意するのは以下です。
昨年の源泉徴収票、今年のこれまでの取引記録を使ったシミュレーションなら比較的簡単にできると思います。
収入、経費、控除は個人でバラバラなので、その他で何が必要なのかは確認する必要があります。
こうして仮で確定申告書を作ってみて不明点があれば税務署に聞いたり、また理解が正しいかを税務署に聞きに行く、ということをやるとかなり理解が深まります。
b.経理が苦手なら日商簿記3級を取得する
確定申告書作成コーナーでのシミュレーションが厳しいという場合は、そもそも経理・会計に関する前提知識が足りないケースが考えられます。
その場合は日商簿記3級の取得をおすすめします。
外国株式オプションの確定申告で必要なのは白色申告で、日商簿記3級は個人事業主などが青色申告で必要になる複式簿記なので知識としては必須ではありません。
しかし日商簿記3級は仕訳、勘定、減価償却、決算など経理業務の基本が学べるので、確定申告書作成コーナーで出てくる言葉や概念がサッパリわからないのであれば「急がば回れ」かもしれません。
私の感覚では30分/日の学習で3ヶ月もあればゼロから勉強しても独学で十分合格できると思います。
日商簿記3級はビジネス資格として各方面で推奨されていますし、税務署の職員と話をするにも経理の概念がないと話が噛み合わないといったことになりかねません。
税務署の使い方
私の経験上、以下のような点に気をつけると比較的スムーズに回答が得られるように思います。
税務処理は範囲が広く、かつ物によっては解釈がグレーなものもあるので、ある程度事前準備した方がよいでしょう。
できるだけ具体的な質問をするために自分で作成した確定申告書、年間取引報告書、取引明細、その他エビデンスなどを準備して、わからない点や理解が合っているかという議論をするとよいと思います。
そして税務署やサポートに質問するときは質疑応答で使用する用語の定義に誤りがないか、日本語が正しいかなどに注意した方がよいでしょう。
特に税金の話は素人にはややこしい場合も多いので、プロに正しく回答してもらうためには正確な質問を投げて、こちらの意図を理解してもらう必要があります。
また確定申告時期に行くと特設の相談コーナーでの質問になるので混んでいるし、対応する職員がこちらの知りたい回答を持っていないこともあり得ます。
通常時に予約して行けば質問に対して回答できる担当者が出てきてしっかり個別対応してくれます。
確定申告が億劫に感じる理由と対処方法
確定申告を億劫だと感じる心理的な要因を私なりに推測してみました。
単純に税金の話はわかりにくいからだと思うのですが、具体的な要因を想定してどうやったら解決できるのかということを考えてみました。
a.お金儲けにフォーカスしているから
投資なのでお金を儲けることが目的なのは当然ですが、それが唯一の目的になるとその他のことに関心が向きにくくなるのではないか、というのが私の意見です。
一方の私の場合では、投資や副業・副収入とそれらの確定申告、わからないことをサポートや税務署に聞き、それをブログでアウトプットする、といったあたりまで含めてレクリエーション・娯楽と位置づけています。(これが面倒だと感じない理由です)
このあたりの動機づけの違いではないかと考えて、ではどうしたらよいかということを考えました。
例えば私の親の世代のように定年まで会社に勤めることが標準的で、それで人生のお金の問題がクリアになるのであれば確定申告とは無縁でいられるかもしれません。
しかし昨今は日本の雇用環境も変化し、給料は横ばい、年金の問題などもあって、お金の問題がフォーカスされることが多くなってきています。
みんながお金の不安を抱えているので副業・不労所得、会社に依存しない、収入の柱を増やす、といった価値観が広がっているように思います。
こうした収入やお金に関する活動に関わる以上避けて通れないのが確定申告なので、私はお金を稼いだら終わりではなくて税務処理まで含めて副業・不労所得に関する知見だと考えています。
確定申告は個人の副業、副収入レベルでは自分で白色申告するのが普通かと思います。
どうしても手に負えなければスポットで税理士に依頼するという手もありますが一般的には、事業としてやっている、法人を設立している、という規模の人がお金を払って正確性を買うために専門家に依頼するというイメージです。
個人の小規模な副業であれば経理や会計の基礎知識があれば足りますし、青色申告の控除要件が控除額で変わることからもわかるように、個人の小規模な確定申告については厳密性はさほど求められていないと思います。(だからいい加減でよいということではないので、自分にどこまで必要なのかは税務署に確認しましょう)
このような感じで、税金に関する知識は今後は個人のスキルとして重要度が上がると思うので身につけておいたらどうか、というのが私の提案です。
b.抽象的思考の不足
個人の白色申告は自分一人で処理することになるので、ある程度の事務処理能力や問題解決力などが求められると思います。
そしてよくわからない問題の解決などに役立つのが抽象的思考と言われています。
私が考える抽象的思考とは以下のようなものです。
抽象的という言葉が使われているとおりかなり漠然とした概念かもしれませんが、抽象的思考が発達していると「要するに大切なことは何なの?」という結論にたどり着きやすいのだと考えられます。
だから「オプション取引(外国市場デリバティブ取引)で発生する雑所得の確定申告」という初めて取り組む課題であっても、何がわからないのか、何を調べればよいか、どのような行動が必要か、といったプロセスを経て答えが出せるのではないかと思います。
抽象的思考が弱い場合の対処方法はいろいろあるようですが、私がおすすめするのは以下です。
いずれもペーパーテストで、日商簿記3級は先にも紹介しましたが、こういった暗記だけでは合格できない理屈で考える試験が思考力のトレーニングになるのではないかと考えています。
これらの試験は問題をよく読んで何を問われているのかを理解しないと正解できませんから、オプション取引の確定申告で何をしなければいけないのか、という問題と本質的には同じな気がします。
私はIT職を長くやっていて、よくわからない課題の解決が日常的に求められる仕事なので、もしかしたら自然にこうした訓練になっているのかもしれません。
質問者さまのケース
質問者さまは2022年から米国株式オプション取引を始めて、3ヶ月ほどやって利益が増えてきたとのことです。
質問者さまは以下のような経緯を辿ってきていると思われます。
私が思うに、新しいことへの好奇心、理解力、行動力が伴っているので、確定申告ごとき余裕で自己解決できるんじゃないでしょうか。
わからないことはネットでググって、出てこなければサクソバンク証券のサポートと所轄の税務署に質問しまくればほぼクリアできる気がします。
というか私が実際にやっているのがこのやり方です。
私はただの会社員で専門家ではありませんし、外国株式オプションという金融商品自体が日本ではほぼ出回ってないので、他の個人投資家も似たようなものだと思いますよ。
まとめ
ブログ読者の方からいただいた米国株オプションの確定申告に関するお悩みに回答しました。
証券取引の確定申告もお金に関する大切なスキルではないでしょうか。
回答がお役に立てれば幸いです。