こんにちは。『お金に困らない生活(インデックス投資ブログ)』管理人のそーたろー(@sotarowassyoi)です。
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この記事を書いたそーたろーはこんな人です。
- 2008年から国内・海外ETF、つみたてNISA、iDeCoなどでインデックス投資をしています。
- 2020年より米国株オプション、サラリーマン大家、副業ブログを実験中です。
この記事は次のような人にオススメです
- デリバティブ型の米国ETFに関心がある人
この記事の目的
Global X社の米国ETF、QRMIとXRMIの取り扱いが開始されるので紹介します。
QRMIとXRMIは株式オプションを使ったデリバティブ型のETFで、カラー取引と呼ばれるリスクヘッジ手法を用いて収益を狙います。
デリバティブ型の商品ですがそれほど複雑な商品ではなく、カラー取引の考え方は様々な投資家に役立つと思われ、なかなかユニークなETFです。
Global X社の米国ETF QRMI、XRMI新規取扱開始
以下は楽天証券からのお知らせです。
2022年2月16日(水)現地約定分から、米国に上場する海外ETF2銘柄の取扱いを開始いたします。
このたび取扱いを開始するのは、米国の運用会社であるGlobal X社が運用するETF2銘柄です。
【海外ETF】Global X社のETF2銘柄を新規取扱い開始!(2/16~) | 楽天証券
QRMI、XRMIの商品性は以下のように説明されています。
どちらも、プロテクティブ・ネット・クレジット・カラー※1戦略により、カバード・コール・ファンドのインカム特性を投資家に提供しつつ、プロテクティブ・プットにより市場の大幅な下落リスクを軽減することを目指すETFです。
※1 プロテクティブ・ネット・クレジット・カラー戦略とは、コール・オプションのショート(売り)とプット・オプションのロング(買い)の組み合わせで、コール・オプションの売りから受け取ったプレミアムが、プット・オプションを買うために支払ったプレミアムを上回ることを目指す戦略です。
カラー戦略とは?
カラー戦略とはオプションの売りと買いを組み合わせてリスクをヘッジする手法です。
QRMIとXRMIではコール買いのクレジット(オプション・プレミアムの受け取り)とプット売りのデビット(オプション・プレミアムの支払い)を組み合わせて、トータル(ネット)でクレジットになるように設計されています。
カバード・コール自体はリスクが限定されていますが、コール売りをヘッジするための現物株の価格下落リスクは存在するので、それをヘッジするためにプロテクティブ・プットを組み合わせています。
詳しい説明については以下の専門家の解説が参考になります。
リスク・マネージド・インカムETFの活用法 | GLOBAL X
なおコールとプット、それぞれの売りと買いがどういった意味を持つのかというオプションの基本知識がないとチンプンカンプンかもしれません。
今回の説明で理解が追いつかない場合はオプション取引の基礎知識が必要かもしれませんので、よろしければ以下をどうぞ。
インデックス投資とオプション取引の組み合わせについては以下あたりもどうぞ。
なおGlobal X社のカバード・コールETFには以下のようなシリーズもあるので、よろしければこちらもどうぞ。
QRMI、XRMI銘柄紹介
グローバルX NASDAQ 100・リスク管理・インカム ETF(QRMI)
QRMIはオプションの原資産はNASDAQ100連動、経費率0.6%、直近分配利回り0.11%/月といった商品です。
以下はグローバルXジャパンによる商品説明です。
QRMIは、ナスダック100指数の銘柄を保有し、さらに、同指数の5%アウト・オブ・ザ・マネーのプット・オプションを買うとともに、同指数のアット・ザ・マネーのコール・オプションを売ることでプロテクティブ・ネット・クレジット・カラー戦略を構築します。
グローバルX NASDAQ 100・リスク管理・インカム ETF(QRMI) | GLOBAL X Japan
グローバルX S&P 500・リスク管理・インカム ETF(XRMI)
XRMIはオプションの原資産はS&P500連動、経費率0.6%、直近分配利回り0.81%/月といった商品です。
以下はグローバルXジャパンによる商品説明です。
XRMIは、S&P500指数の銘柄を保有し、さらに、同指数の5%アウト・オブ・ザ・マネーのプット・オプションを買うとともに、同指数のアット・ザ・マネーのコール・オプションを売ることでプロテクティブ・ネット・クレジット・カラー戦略を構築します。
グローバルX S&P 500・リスク管理・インカム ETF(XRMI) | GLOBAL X Japan
【参考】個人的な感想
私が個人的に考える使い方などを紹介しておきます。
QRMI、XRMIはプロテクティブ・ネット・クレジット・カラー戦略ということで、株価の値下がりリスクのヘッジに重心を置いている商品です。
つまりリターンをある程度犠牲にする代わりにリスクをヘッジしつつ、安定的な分配を出すことを目的とした商品だと考えられます。
カバード・コールによる高い分配を欲する投資家(なおかつ日本在住者の場合は二重課税でも構わない投資家)はQYLD、QYLG、XYLD、XYLGといったカバード・コール型ETFを買えばよいです。
ところがカバード・コール自体はリスクが限定された手法ではありますが、原資産の値下がりリスクが存在する点は現物株投資と何ら変わりありません。
したがってプロテクティブ・ネット・クレジット・カラー戦略ではリターンが減ってもいいからカバード・コールのリスクもヘッジしよう、といった趣旨になります。
QRMIとXRMIの中身はデリバティブなので、分散投資ポートフォリオにおける伝統的資産(株、債券など)とはまた違う資産クラスと考えたり、もしくは無リスク資産を使ってキャッシュフローを得る手段として使ってもいいかもしれません。
2022年は世界中でインフレが高進していて利上げ待ったなし、株式市場には逆風なので、今の状況にはマッチしている気がします。
ただし個人的にETFの商品性には興味を持ちましたが、日本の投資家の場合は米国ETFの分配金は二重課税の負担を加味しつつなので若干ビミョーであることは否めません。
まとめ
Global X社の米国ETF、QRMI、XRMIの取り扱い開始について紹介しました。
デリバティブ型の米国ETFは使う人を選ぶと思いますが、その仕組みは日本の投資家も理解しておきたいところです。
わからないものには手を出さないというのは大事な教訓ですが、イノベーションの観点からは新しい金融商品は押さえておいた方がベターかなと思いました。