こんにちは。『お金に困らない生活(インデックス投資ブログ)』管理人のそーたろー(@sotarowassyoi)です。
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- お金、投資、資産運用、副業が中心のブログです。
この記事を書いたそーたろーはこんな人です。
- 2008年から国内・海外ETF、つみたてNISA、iDeCoなどでインデックス投資をしています。
- 2020年より米国株オプション、サラリーマン大家、副業ブログを実験中です。
この記事は次のような人にオススメです
- これから海外ETFに投資したいと考えている人
- 海外ETFの乗り換えに関心がある人
この記事の目的
私は資産形成の一環としてインデックス投資をしていて、投資信託とETFを保有しています。
ETFについては2008年のリーマンショック時に海外ETFをいくつか買っています。
その中のひとつであるiシェアーズEFAを、今回2020年の株価暴落を利用してバンガードVEAへ乗り換えました。
インデックス投資をある程度長くやっている人にとっては、こうした株価暴落局面は少し古くなった商品を整理して、最新の投資商品へアップデートするよい機会になります。
この記事ではiシェアーズEFAからバンガードVEAへの乗り換えについてまとめました。
今回の海外ETF情報
EFAとVEAはどちらも米国を除く先進国株式に連動するETFです。
連動するインデックスが異なるので投資対象に若干違いがありますが、北米を除く欧州+太平洋地域、と大体同じと考えてよいでしょう。
EFAとVEAはETFで世界の株式市場に分散投資をしようとしたときに主要な資産クラスになります。
例えば以下のような感じでポートフォリオを構成して投資することになるでしょう。
EFAとVEAの概要は以下のとおりです。
EFA:iシェアーズ MSCI EAFE ETFとは?
純資産総額(2020/04/09) |
47,688[百万USドル]
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設定日 | 2001/8/14 |
経費率 | 0.32% |
取引所 | NYSE ARCA |
分配 | 年2回 |
インデックス | MSCI EAFE指数 |
VEA:バンガード FTSE先進国市場(除く米国)ETFとは?
純資産総額(2020/03/31) |
61,329[百万USドル]
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設定日 | 2007/7/20 |
経費率 | 0.05% |
取引所 | NYSE ARCA |
分配 | 年4回 |
インデックス |
FTSE先進国オールキャップ(除く米国)インデックス
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純資産総額、経費率共に今回の乗り換え先であるVEAの方が優れていますね。
乗り換えの目的
今回、海外ETFを乗り換える目的は以下のとおりです。
EFAを一般口座で買った背景
私が海外ETFを買った2008年当時はまだ特定口座に対応しておらず、EFAは一般口座でのみ保有が許されました。
なぜわざわざ一般口座で海外ETFを買ったかというと、海外ETFは投資信託に比べてまだまだ低コストだったからです。
当時の海外株式のインデックスファンドの年率コストは1%程度、今回売却するEFAは0.35%でおおよそ3分の1でしたからそこそこ魅力的だったわけです。
インデックス投資は一度買ったら余程のことがない限り売却しませんので、当時はとりあえず一般口座でもよいと判断しました。
ネット証券の海外ETFの特定口座対応開始
2008年当時から、海外ETFの特定口座対応の要望はあがっていたように記憶しています。
その後、楽天証券は2014年に海外ETFの特定口座対応を開始しています。
海外株式の特定口座サービス開始! ~確定申告がぐんとカンタンになります~
2014年12月22日(月)現地約定分から海外株式も特定口座に対応いたしました。
楽天証券
私の場合はすでに一般口座で海外ETFを買ってしまっており、これらを特定口座へ移すことはできません。
従って以降の新規購入分から海外ETFを特定口座で保有できることとなり今回に至ります。
低コストETF(VEA)への乗り換え
今回、より低コストなバンガード社のETFへ乗り換えました。
iシェアーズEFAは私が買った時の経費率は0.35%程度だったはずですが、少し改定されて0.32%になっていたのは知りませんでした。
例えばETFを100万円分保有したとすると、EFAのコストが年間3,200円だったのに対してVEAでは500円にまで下がります。
投資信託の場合、現在の先進国株式の平均的なコストは0.1%程度ですから、同じく100万円分保有したとすると年間コストは約1,000円ですので、VEAはその半分となります。
投資信託とETFはコストと使い勝手の綱引きになりますので、好みが分かれるところかと思います。
分配金の再投資
2008年からの約12年分の海外ETFの分配金がプールされているので、今回の乗り換えで一部を一緒に再投資しました。
なおプールしていた分配金の60%は2020年3月にVTIを新規買い入れしていますので、今回は残り40%をVEAに上乗せする格好となりました。
株価下落時に乗り換える理由
保有していたEFAは2008年10月に単価55.36で買い入れており、2020年の株価暴落前は含み益の状態でしたので平時に乗り換えると課税が発生します。
しかし今回の株価暴落によって2020年3月下旬時点で46.50くらいまで下落して含み損に転落しており、売却しても課税が発生しないためこのタイミングで乗り換えることにしました。
こうした古くなった商品の乗り換えについての考え方は以下の記事でまとめてあります。
乗り換えに際して検討したこと
以下の点を検討しました。
タイミング
今回の乗り換えのアイデアについて気付いたのが3/24で、それまではケロケロケローっと忘れていました。
幸運にも(?)思い出した3/24時点で私のEFAは含み損に転落していましたので、即計画を検討しました。
タイミング的にいつ売却しようかという点について確認しました。
含み益については利益に課税が発生しますので今回は選択しません。
20万円以下の少額の利益であれば所得税は免除されますが、一般口座のため住民税は別途納める必要があり、納付の手間を考えて選択しないこととしました。
含み損については、乗り換え先で発生する将来の利益に対する課税額が大きくなってしまい損なので選択しないこととしました。
消去法によりギリギリ利益が出ない建値付近で売却して乗り換えるのが都合が良さそうだと考えました。
投資判断的に建値にこだわるべきではないという指摘もありますが、今回は利益確定と損切りのどちらでもない商品の乗り換えのため、課税面や手間を考慮して建値で決済することにしました。
コスト
今回の乗り換えで必ずかかるコストがEFA売却時の取引手数料20米ドルです。
もし乗り換え先に投資信託を選択したとしたら買入時の取引手数料は発生しません。
しかし海外ETFのVEAを選択した場合は以下の取引手数料無料対象ETFではないので20米ドルが必要です。
VEAを選択した場合は往復で40米ドル掛かりますが、私にとっては今回の取引に対する手数料は許容範囲と考えました。
今回EFAの売却は12年間保有して利益なしで決済になりますが、その間の分配金をしっかり頂います。
分配金の再投資によって先日VTIが増え、今回買い入れるVEAも分配金の一部を上乗せするので保有数量が増えます。
さらに乗り換え先のVEAは年率コストが大幅に下がりますから、売買手数料40米ドルを支払ってもやる価値のある取引と考えました。
売買手数料40米ドルのデメリットは1回のみ、コストダウンのメリットはこの先数十年享受できますから圧倒的におトクでしょう。
乗り換え先
先に書いたとおり乗り換え先については以下を検討しました。
手間を考えると私は投資信託の方が好みです。
しかし今回売却するのは MSCI EAFEという「米国およびカナダを除く先進国の大型および中型株式」インデックス連動ですので、これに相当する適当な投資信託がありません。
投資信託で海外先進国株式に乗り換えると、すでに保有している北米ETFと合算して米国株式の割合が高くなりポートフォリオが大きく歪むというデメリットがありました。
これが嫌なので今回はEFAと同じ投資対象であるVEAに乗り換えることにしました。
補足1:投資信託とETFは別ポートフォリオでもいいかも?
こうしたポートフォリオのバランス問題を回避するために、あくまで便宜上ですが、ETFと投資信託を別々のポートフォリオとしてリスク管理するという手法もありかと思いました。
いわゆる疎結合にしておくと代替が容易になり、今回のようなバランスの問題に煩わされることが減ります。
実際、私は個別株も少し保有していますが、インデックス投資のポートフォリオとは別口で勘定しています。
この問題についてはいずれゆっくり考えたいと思います。
補足2:決済通貨について
決済通貨は米国ETFは米ドル、投資信託は日本円です。
もし海外商品から国内商品へ乗り換えるのであれば、決済通貨の準備、使い方、為替レートなども考慮する必要があります。
今回私は米国ETFどうしの乗り換えなので米ドル決済のため関係ありませんが、米国ETFから投資信託、またはその逆の場合は円高水準か円安水準かは割と大事な点でしょう。
海外資産への投資は、円転、ドル転も合わせて考える立体パズル的な難しさがあります。
乗り換え方
資金に余裕があれば、既存分EFAの売却と新規分VEAの買入をそれぞれ別で実施すれば差益を取ることも可能です。
新規分VEAを株価が戻る前に低いところで先に逆張りで買ってしまい、既存分EFAは株価が戻ってからの売却にすれば、以前より買い入れ価格の低いポジションに入れ替えることができます。
ただしデメリットとして、株価が戻るまでの間は新旧で2倍のポジションを保有することになるので、もし株価の回復まで数年を要すような事態になるとリスクも大きくなります。
EFAはただでさえ上昇率が低くて、真っ先に含み損に転落している資産クラスだったから今回の乗り換えに至ったことを考えると、欲をかくのもどうかと思いました。
また私は平時に米国ETF買付用のドル資金を手当てしていませんので、先に新規分を買うとなると現在の為替レートでの売買になります。
計画を検討していた時点で大体110円/ドル付近とそれなりの円安だったので、この水準でのドル転は気が進みませんでした。
従って既存分EFAを売却して戻ってきた資金で新規分VEAを買うことにしました。
ただしこの場合は既存分EFAの売却の受け渡しが3営業日目になりますので、EFA売却からVEA買付までの間に相場が急騰するリスクがあります。
この点については2008年にEFAを買った時のドル調達が105円/ドル程度で、現在より3〜5円/ドル程度の為替差益があるので吸収できると割り切りました。
こうした選択肢が検討できるのも、十分な無リスク資産を確保していればこそですね。
買付数量
先にも述べたとおり、今回2020年の株価暴落を利用して海外ETFの分配金をVTIへ再投資しましたが、こちらは分配金の60%にとどめました。
まだ残り40%が再投資待ちで残っていたので、乗り換えにプラスしてVEAへ再投資することにしました。
すでに購入済みのVTIと今回乗り換えるVEAの数量を増やすことによってポートフォリオのバランスが若干崩れますが、そこまで深刻な変化ではないので何年か掛けて微調整して行こうと思っています。
ポートフォリオのバランスを自動計算にする方法は以下で解説しています。
乗り換え実施
EFAの売却
4月8日に約定しました。
こちらは建値で指値注文していたのが刺さりました。
VEAの買付
4月15日に約定しました。
NY時間にその時の価格で指値注文を出して買いました。
まとめ
以上のような感じのことを考えて実施しますので、やっぱり海外ETFはまぁまぁ面倒なのではないでしょうか。
ただ米国ETFは低コストで流動性に優れた投資ツールですので、インデックス投資に退屈している方におすすめです。
手間なしがよい方は投資信託一択でよいでしょう。
それから投資信託の乗り換えで残った、乗り換え前の商品についても株価暴落は同じく処分するチャンスですね。
今後さらに株価が下落するような展開になれば順次入れ替えを進めていきたいと思います。