こんにちは。『お金に困らない生活(インデックス投資ブログ)』管理人のそーたろー(@sotarowassyoi)です。
ここはどんなブログなの?
- お金、投資、資産運用、副業が中心のブログです。
この記事を書いたそーたろーはこんな人です。
- 2008年から国内・海外ETF、つみたてNISA、iDeCoなどでインデックス投資をしています。
- 2020年より米国株オプション、サラリーマン大家、副業ブログを実験中です。
この記事は次のような人にオススメです
- 外国為替の理解がボンヤリしている人
- インデックス投資における円高・円安の影響に関心がある人
この記事の目的
私なりのインデックス投資と外国為替の付き合い方を紹介します。
気にしても仕方がないと言えばそのとおりかもしれませんし、かと言って大きな影響を受ける以上まったく知らなくていいわけでもない、という微妙な存在が外国為替です。
気にする必要はなくても、より良くインデックス投資を活用するなら為替や金利について知っておいた方がよい、というのが私の考えです。
外国為替の基本的な仕組み
まず簡単に外国為替について紹介しますので不要な方は読み飛ばしてください。
為替レートとはなにか?
通貨同士を交換する場所が外国為替市場で、その交換比率が為替レートです。
世界中にはあらゆる通貨がありますが、取引量が多いのは米ドル、ユーロ、日本円、ポンド、オーストラリアドルなどの先進国通貨です。
これら国際通貨の中でも中心となっている米ドルが基軸通貨とされ、あらゆる国際取引は米ドルを中心に行われます。
為替レートは通貨と通貨の交換比率なので通貨ペアで表されます。
米ドルと日本円の交換比率はUSD/JPYで表され、左側が基軸通貨のUSD、右側が決済通貨のJPYです。
どちらかを買えばどちらかが売られることになるので、日本円を米ドルに交換すると、日本円が売られて米ドルが買われる、といった動きが起きます。
売られた通貨は価値が下がり、買われた通貨は価値が上がるので為替レートが変動します。
為替レートを決める要因はなにか?
為替レートを決める要因はいろいろあると言われていて、プロでも見極めが難しいと言われています。
シンプルに表現すれば、為替レートは需給が決めていると言ってよいのではないでしょうか。
買われる量が多い通貨は価値が上がるし、売られる量が多い通貨は価値が下がる、というのが需給なので、まぁ当たり前のことを言っています。
為替の需給を決める要因としては以下のようなものがあります。
為替の難しくて重要な点は以下です。
景気、物価、金利
景気、物価、金利の関係を簡単にまとめると以下のとおりです。
景気がよいと物がたくさん売れ、お金の需要も高まるので中銀は金利を上げて(お金を借りにくくして)景気の行き過ぎをコントロールしようとします。
反対に景気が悪いと物が売れず、お金の需要は減るので中銀は金利を下げて(お金を借りやすくして)景気の後退を食い止めようとします。
このような関係性で景気、物価、金利がつながっていて、高金利通貨は金利目当てで買われますが、通貨価値は下がると損なので売られやすいという「ババ抜き」のようなゲームになっています。
円安・円高とはなにか?
円高、円安というのはどこかとどこかの為替レートどうしを比較して相対的に円の価値が上がったか下がったか、ということを考える概念です。
そして海外資産を日本円で買う場合は円高の方が有利、円安だと不利になります。
例えば100ドル/株の株式を買う場合に必要な日本円は以下のとおりです。
- 110円/ドル →100ドル×1株×110円=11,000円 →円高
- 115円/ドル →100ドル×1株×115円=11,500円 →円安
同じ100ドルの株を買うのにも為替レートが110円/ドルの方が少ない日本円で済みます。
110円/ドルは115円/ドルと比較して円高、115円/ドルは110円/ドルと比較して円安です。
相対比較したときに円の価値が高いのが円高、円の価値が安いのが円安です。
上記は米ドル決済の米国株を例にしましたが、円貨決済の国内投信で海外資産に投資する場合も為替ヘッジが付いていなければ為替レートの影響を受けるのは同じです。
投信の場合は日本の運用会社に円で払い込みますが、海外資産への投資であればその時に買うことのできる資産の量は株価と為替レートによって決まります。
つまり円安であれば買える量が減るし、円高なら増えます。
また上記は買うときの話を例にしましたが、買ったあともまったく同じで、資産を円建ての評価額に直すときに株価にドル円レートを乗ずるので、株価と為替レートの上下によって資産の評価額が変化します。
インデックス投資と外国為替の影響
インデックス投資では世界中の投資対象に分散投資するのが一般的なので外国為替が大きく関係します。
保有資産の評価額は常に上下し、主な要因は以下のとおりです。
株価などの上下で資産価格が動くのはわかると思います。
これに加えて海外資産の場合は、円建て評価に直すときにそのときの為替レートを使うので外国為替も影響し以下のような動きになります。
つまり円高で買って円安になると儲かって、逆に円安で買って円高になると損するということで、株価と為替によって資産の評価額が上下します。
為替を気にしなくてもインデックス投資はできる
ドルコスト平均法なら株価も為替レートも平準化されるので、つみたて投資をしているなら過度に気にしても仕方ありません。
特に投資信託の場合は海外資産であっても基準価額が円建てなので、為替の影響自体を認識していない人も多い気もします。
また確定拠出年金(iDeCoや企業型DCなど)やNISA/つみたてNISAでは時間あたりに資金拠出できる上限額が決まっているので、投資家が株価や為替の値動きを見て裁量的に投資金額を変更するような使い方が想定されていません。
投信のつみたてでは株価が高ければ少ししか買えなくて、安ければたくさん買えるのと同様に、円安なら少ししか買えないし、円高ならたくさん買えるということも同時に起きています。
つまりインデックス投資では外国為替の知識が一切なくても、つみたてNISAなどで外国株式を買うだけなので簡単に始めることができます。
でもリテラシーとしては重要
為替の影響は避けられないので、インデックス投資をやっている人は「そういうものだ」とそのまま受け入れているスタンスの人が多いと思います。
インデックス投資の実務としてはそのとおりなのですが、為替のことを知らなくてもできるからといって知らないままでよいかというと、私はそうは考えていません。
インデックス投資の動機としてよく言われるのが、海外投資をしなければ日本円に100%投資するのと同じだから、というものがあります。
日本より期待リターンの高い海外の資産クラスへ投資することも大切ですが、やはり日本円100%だと円の価値が下がったときのダメージが大きいという理解はそのとおりだと思います。
こうした動機で外貨建て資産を保有するのであれば金利差(インフレ率)の理解などが必要です。
具体的には、なぜ通貨の価値が上がったり下がったりするのか、日本円の価値が下がって円安になるというのとはどういうことか、といったことです。
単純に投資信託を買って価額が上がって儲かったというだけでなく、自分が何をしているのかという理解は長く投資を続けるために大切だと思っています。
このあたりをクリアにしておけば、金融機関がお客をカモる常套手段「高金利通貨はおトク」という勘違い(というか無知)を狙った詐欺に引っかからなくて済みます。
高金利通貨はインフレ通貨なので、金利が高い代わりに通貨の価値が下がって売られますから一方的に得することではありません。
こうしたリテラシーはとても役に立つと思います。
外国為替の何を見るのか?
私が外国為替について何をどう見ているかについて紹介します。
過去のトレンド
以下は1996〜2022年の26年間のUSD/JPYのチャートです。
日米の金利差(インフレ率)を平均2%くらいで考えると、毎年2%の円高にはなっていませんが、長期的には高値を切り下げる緩やかな円高ドル安トレンドを描いているといった見方をしています。
つまり日本はデフレなので、インフレ通貨の米ドルは日本円に対して徐々に減価しているという見方です。
ではなぜ通貨価値が下がっている米ドル建て資産へ投資するのかといえば、私はインデックス投資で世界の株式市場における時価総額シェアにならって分散するやり方を採用しているからです。
北米株のシェアは60%くらいあるので米ドル建て資産に多くを割くことになります。
仮に米ドルが対円で年率1%減価しても株式であれば期待リターンが5%程度見込めるので、差し引きで+4%になるからといった感じです。
ドル円水準の考察
為替レートの水準の見方というのは極めて主観的です。
以下はあくまでも私が投資をするようになった直近15年くらいの感覚です。
私はスポットでの追加投資をするため円高局面は重要な投資機会と捉えているので、自分なりの水準に対する見方が必要です。
日々の観測
プロでも見極めが難しいものを素人の私があれこれいうのもどうかと思いますが、為替レートに影響を及ぼすものとして以下をよく見ています。
これ以外にも株価指数はもちろん、世界中の主要な経済指標はインデックス投資を始めた頃から欠かさずウォッチしています。
要人発言については、各国の金融政策の決定権を持つ人たちがどのようなものの見方をしているかというヒントとなり、極めて重要なので毎営業日確認しています。
以下は過去4年分くらいのIMM通貨先物ポジションの偏りをグラフ化したものです。
グラフはUSDが基準になっていて、下向きになるほどドル高、つまり2022年1月時点ではドルが大きく買われる方に偏っていることがわかります。
私がやっているのはインデックス投資であって、FXで短期売買などをやっているわけではありませんが割に細かなマーケットのチェックをしている方かと思います。
これらを立体パズルのように組み合わせて、なぜドルが買われているのか、なぜユーロや円が売られているのか、といったことを日々考察します。
こういうことを飽きずに続けていると自分なりのものの見方ができてくるような気がします。
それで何か投資行動を起こすかといえば別になにもしませんが、まーヒマなんですね。
為替レートと投資実績
保有中の主なETFの調達レートをまとめてみました。
日付 | シンボル | 為替レート |
---|---|---|
2008/09/25 | SPY | 105.08 |
2008/10/14 | EEM | 101.82 |
2020/04/14 | VEA | 107.42 |
2021/01/15 | VDC | 104.08 |
2021/12/29 | VIG | 115.02 |
大体101〜105円/ドルでドル転しているので、2021年末に115円/ドルでVIGを一括投資しましたが海外投資の環境としては厳しいですね。
2021年にVDCを買った時点で今後数年は一般NISAで米国ETFを買うつもりだったので、長期投資的にいい塩梅だった104円/ドルでドルを調達しておくべきでした。
こうした対応がしっかり取れるのが上手い投資家だと思うのですが、それなりに長くやっていてもなかなかそこまで気が回らず、私はまだまだですね。
なお2011年の円高局面では投信で外国株式に集中投資するといったことをしています。
米国株は当時の3.5倍以上という凄まじい上げ幅なので為替とかどうでもいい感じもしますが、78円/ドルから115円/ドルの50%近い円安を見てしまうと無視するのも難しく、為替は長期投資にとって悩ましい部分ですね。
円安と円高はどちらがよいのか?
私個人はどちらかというと円高の方が好ましいと考えています。
海外投資に限って言えば金融資産の半分くらいを外国株式へ投資しているので円安になると為替差益が乗って儲かります。
一方で金融資産全体で考えると、私は日本で暮らして日本円でお給料をもらっているので、自国通貨の価値はそれなりに高い方がよいと思って暮らしています。
円高になると投資済みの海外資産は為替差損で資産価値が萎みますが、海外投資の目的はリスクプレミアムと成長力に賭けることなので、為替のマイナスの影響は致し方ありません。
特に資金拠出を続ける期間はできるだけ円高の方が海外資産がたくさん買えて好都合だと思っています。
まとめ
外国為替の円高・円安とインデックス投資の関係を紹介しました。
特につみたて投資の場合は必要以上に気にする必要はなく、以下の点を知っていれば十分でしょう。