インデックス投資も実は初心者には難しい手法かも【失敗しないコツ】

インデックス投資
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こんにちは。『お金に困らない生活(インデックス投資ブログ)』管理人のそーたろー(@sotarowassyoi)です。

 

インデックス投資はシンプルで一見簡単そうに見えて、実は初心者には難しい投資手法かもしれません。その理由や失敗しないためのコツを紹介します。

 

そーたろー
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ここはどんなブログなの?

  • お金、投資、資産運用、副業が中心のブログです。

 

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この記事を書いたそーたろーはこんな人です。

  • 2008年から国内・海外ETF、つみたてNISA、iDeCoなどでインデックス投資をしています。
  • 2020年より米国株オプション、サラリーマン大家、副業ブログを実験中です。

 

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この記事は次のような人にオススメです

  • これからインデックス投資を始める人
  • インデックス投資で失敗したくない人

 

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この記事の目的

2020年10月7日に金融庁から四半期ごとのNISA口座の統計情報が発表されています。

NISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について | 金融庁

この情報を見ていて「インデックス投資の普及率ってどれくらいなんだろう?」という疑問がわいたので推計してみました。

就業者数6,700万人に占める、

  • つみたてNISA口座の稼働率:1.6%
  • 個人型DCの加入率:2.4%

予想通りあまり普及率は高くなさそうだったので「いったいなんで普及しないんだろう?」という考察をしてみました。

結論としては「インデックス投資って簡単そうに見えて意外と難しいんじゃね?」ということになり、さらに「失敗しないためのコツってなんだろうね?」というのがこの記事のテーマです。

 

インデックス投資が初心者に難しい理由

インデックス投資が難しい理由として以下のような点について考えてみました。

  1. あまり普及していない理由
    • 投資自体に関心が持たれないから
    • インデックス投資は簡単で地味だから
  2. 何もしなくていいのでかえって継続が困難
  3. 失敗しない継続のコツとして投資や経済の基本が必要だから

結論としては、知るべきことを知る、ということになるでしょうか。

 

インデックス投資があまり普及していないのはなぜ?

  1. 投資自体に関心が持たれない
  2. 簡単で地味だから

推測1:投資自体に関心が持たれないから

日本人は欧米人に比べ貯蓄率が高いと言われます。

以下の日銀による資料で「家計の金融資産構成」というのがあります。

資金循環の日米欧比較 – 日本銀行

現金・預金比率

  • 日本:54.2%
  • 米国:13.7%
  • ユーロ圏:34.9%

株式・投資信託

  • 日本:13.0%
  • 米国:44.8%
  • ユーロ圏:25.9%

まだまだ日本人にとって投資は特別なもの、危険なもの、無理してやらなくてよいもの、といった認識があるように思います。

一生懸命働いていれば投資は必要ない(今までもそうだったからこれからもそうであって欲しい)、といった現状維持バイアスでしょうか。

だから自身のお金に関して問題提議(年金不安とか)し、資産運用の必要性を認識し、運用方法を絞り込む、というプロセスが多くの人にとって困難な気がします。

投資が一般の人に浸透するにはまだまだ時間が掛かりそうです。

 

推測2:簡単で地味だから

次に投資でお金を増やすという目標を立てたとして、株式インデックスを放ったらかして年5%複利を30年継続しましょう、というのが刺さらないと思います。

予備知識のない人が年5%複利の威力と合理性を理解することはかなり難しいと思います。

みんな個別株を積極的に売買したり、FXしたり、最近なら仮想通貨を買ったりといったエキサイティングな手法の方に断然ひかれるでしょう。

そしてFIREしたい、億り人とか配当生活みたいなことで自慢したい、自分もインフルエンサーになりたいと思うでしょう。

そういう人たちはつみたてNISAとかiDeCoとか選ばないと思います。

しかしアクティブファンドがパッシブファンドにほとんど勝てないのが定説となっている以上、個人がトレーディングの世界で生き残るのは絶望的でしょう。

さらにこういった動機の人がトレーディングで失敗してインデックス投資で再起を目指すのも難しい気がします。

インデックス投資は徐々に普及しているとは思いますが、なかなか大きくは伸びない気がしています。

このあたりのインデックス投資の普及率についてはこの記事の後半でも紹介します。

 

インデックス投資の継続が困難なのはなぜ?

→ 何もしないことが逆に難しいから

インデックス投資の最大のコツは、とにかく何もしないで時間が経過するのをひたすら待つことです。

なにもしなければいいだけなのになぜそれができないのか。

私の答えは、何もしないという行為に確信が持てないから。

確信が持てないというのは、つまり自分の行いが不安だと思うのです。

株価が上がればもっと儲けたくて何かしなくてはならない欲求に駆られるし、株価が下がれば損したくなくて何かしなくてはならい欲求に駆られます。

右も左もわからないけどとにかくお金儲けしたい人が、ただ持ってるだけでよいからとインデックス投資を始めても株価の上下に惑わされて持ちきれないのは明白な気がします。

調子がよい相場は+10%、+20%と資産が増えて気分がよいです。

しかし反対に下がるときは-30%、-50%とか実際に起こり得ます。

こうした相場の波に飲まれてしまうメカニズムについては以下で紹介しています。

プロスペクト理論で考える株価暴落とインデックス投資継続のコツ
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私はインデックス投資には以下2つの適性が必要だと思っています。

  • 継続保有による年5%複利の合理性が理解できること
  • 一時的に価値が半分程度になっても黙って持っていられること

そしてこうした適性を身に着けることが実は高度なことなのだ、というのが次の説明です。

 

インデックス投資で失敗しないコツってなに?

→ 投資や経済の基本が必要

インデックス投資を続けていくための適性の獲得が意外とハードルが高いと思います。

勤務先で選択制DCが導入されたときの話

私の勤務先で選択制DCが導入されたときに金融機関から立派なスタートアップガイドが配られました。

情報量としてはA4サイズ100ページ程度で、半分が年金や確定拠出年金制度、マニュアルなどで、残りの半分が運用や商品選定についての説明でした。

要点がまとまっているので全体を把握するのにはとてもよくできていると思いました。

スタートアップガイドでも説明されていましたが、インデックス投資でリスク資産に資金を投じる人は以下のような基本を理解する必要があります。

  • 期待リターンやリスクの考え方
  • 資産クラスや分散の考え方
  • 運用期間の考え方
  • 投資商品の種類
  • 外貨資産に対する考え方
  • マーケット全般
  • 物価や金利、景気
  • 投資制度・税制

しかし到底スタートアップガイドの情報だけで足りるとは思えず、新しいことを学ぶ意欲が必要です。

インデックス投資であってもこうした複数の要素・変数を組み合わせて意思決定する必要があります。

選択制DCの導入時にある社員と話をしたところ、確定拠出年金制度自体は理解しているものの、商品選定についてはよくわからないとのことでした。

手にした人全員がスタートアップガイドを熟読して資産運用を正しく理解し、パッシブが合理的だという答えにたどり着き、今後数十年にわたる運用期間を乗り越えられる、といった状況になっていないことは容易に想像できます。

以下の記事はこうした背景から作ったものです。

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合理性の判断は難しい

社会人経験がある程度長い人でも適切なお金の運用方法についてはよくわからないし、興味が持てないのだと思います。

別に基本を知らなくてもインデックス投資は始められますが、長期間継続してゆくためには避けては通れないでしょう。

こうしたことを考えると、たとえ楽チンなインデックス投資であっても、継続するために必要なレベルへ到達できない人が大勢いることが予想されます。

ウォーレン・バフェットさんは以下のようなことを言っています。

ロケット工学で博士号を取る必要はありません。投資とは、知能指数160の人間が130の人間を倒すゲームではないからです。合理的かどうかが問題です。

「投資」の部分はそのまま「インデックス投資」に置き換えて支障ないと思います。

私は最後の「合理的かどうかが問題」という部分について、たとえインデックス投資であってもその人にとって合理的かどうかの投資判断を下すのはなかなか高度なことなのだと思っています。

なぜなら合理性を判断するためには小難しくて、面白くもない経済の基本が必要だからです。

ではどうしたらよいのか、という具体策については以下の記事にまとめたのでよろしければどうぞ。

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【考察】インデックス投資の普及率

NISA・つみたてNISA口座の稼働率

労働力調査(基本集計) | 総務省統計局

2020年3月分:就業者数は6,700万人

NISA・ジュニアNISA利用状況調査 令和元年12月末時点(確報値)| 金融庁

2019年12月の稼働率

  • NISA口座
    • 買付あり:902万ー505万=397万口座
    • 稼働率:397万÷902万 ≒ 44%
  • つみたてNISA口座
    • 買付あり:190万ー80万=110万口座
    • 稼働率:110万÷190万 ≒ 58%

就業者数に占めるNISA・つみたてNISA口座の稼働率

  • NISA・つみたてNISA稼働口座数:397万+110万=507万口座
    • NISA・つみたてNISA稼働率:507万÷6,700万 ≒ 7.6%
    • つみたてNISA稼働率:110万÷6,700万 ≒ 1.6%

NISA・つみたてNISAの稼働率は2019年中に買い付けがあった口座です。

従ってそれ以前に買い付けがあって、2019年はたまたま買い付けがなかった口座も含まれているでしょう。

しかし推測するに、開設だけしてそのまま放置されている口座が大半なのではないかと思います。

 

確定拠出年金の普及率

確定拠出年金の統計 | 企業年金連合会

確定拠出年金の加入者数

  • 企業型DC:750万人
  • 個人型DC:163万人
  • 計:913万人

就業者数に占める確定拠出年金加入者数の割合

  • 加入者全体:913万÷6,700万 ≒ 14%
  • 個人型DC:163万÷6,700万 ≒ 2.4%

確定拠出年金の加入者全員がパッシブ運用(インデックス投資)しているとは限りません。

商品のラインアップはどこの金融機関でも半分以上はアクティブとバランスを混ぜてカモを待っています。

特に企業型DCでは会社主体で制度を導入し、運用は加入者の責任で行いますので自分が何をやっているかわかっていない人も相当数にのぼることが予想されます。

しかし稼働率・普及率の面では大体こんな感じでしょうか。

NISA・つみたてNISAの普及率と比べても納得感のある数字です。

 

イノベーター理論から見るインデックス投資

新たなアイデアの普及度合いを分析するための理論としてイノベーター理論というものがあります。

イノベーター理論とは?

イノベーター理論はマーケティングの概念です。

米国の社会学者、エヴェリット・ロジャースさんが1962年に提唱して大きな反響を呼んだイノベーション普及に関する理論です。

新たなアイデアや技術を採用する個人を、採用の早い順に5つに分類したものです。

  1. イノベーター(革新者:2.5%)
    • 新しいものを進んで採用する人
  2. アーリーアダプター(初期採用層:13.5%)
    • 流行に敏感な人
  3. アーリーマジョリティ(前期追随層:34%)
    • 平均より早くに新しいものを取り入れる人
  4. レイトマジョリティ(後期追随層:34%)
    • 周りを見てから同じ選択をする人
  5. ラガード(遅滞層:16%)
    • 保守的な人

イノベーターとアーリーアダプターは合わせても市場全体の16%で、ロジャース教授はアーリーアダプターを重視し「普及率16%の論理」として提唱しています。

 

インデックス投資の普及度合いは?

先ほどのNISA口座と確定拠出年金加入者の数字をイノベータ―理論に照らし合わせて見てみます。

NISA制度とDC制度

  • NISA・つみたてNISA稼働率:7.6%
  • 確定拠出年金の加入率:14%

個人のインデックス投資

  • つみたてNISAの稼働率:1.6%
  • 個人型DCの加入率:2.4%

前者のNISA制度とDC制度の方はロジャース教授の「普及率16%の論理」を下回っています。

後者の個人のインデックス投資で自分の意志でインデックス投資を実践していると思われる人はイノベーター層(2.5%)といえるかもしれません。

これらの数字は正確なインデックス投資の普及率ではないかもしれませんが、インデックス投資の普及率としては大体こんなもんなんじゃないかなと感じます。

2020年時点でインデックスファンドを持っている人はまだまだアーリーアダプターで先進的な人と言えるのではないでしょうか。

 

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まとめ

今回は私が考えるインデックス投資が初心者に難しい理由を紹介しました。

  1. あまり普及していない理由
    • 投資自体に関心が持たれないから
    • インデックス投資は簡単で地味だから
  2. 何もしなくていいのでかえって継続が困難
  3. 失敗しない継続のコツとして投資や経済の基本が必要だから

インデックス投資をこれから始める人や、すでに始めている人も長丁場を途中退場しなくて済むよう基本は大切にしたいですね。

 

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